【オキュパイド・ジャパンへの初詣】、そして、「相棒」の“ひまカップ” 瀬戸ノベルティ文化保存研究会・瀬戸ノベルティ倶楽部

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【オキュパイド・ジャパンへの初詣】、そして、「相棒」の“ひまカップ”

2018年1月2日
☆謹賀新年。本年もどうかよろしくお願い致します。 

【オキュパイド・ジャパンへの初詣】 


<この一文は当会代表がある新聞社へ掲載を願って書き送ったものの再録です>
 
 1月28日まで愛知県瀬戸市美術館で『海を渡ったせとものたち~田中荘子オキュパイド・ジャパンコレクション~』展が開催されています。新年の幕開けにあたって、「オキュパイド・ジャパンへの初詣」は如何でしょうか。
 1945年8月、日本の敗戦によって第二次世界大戦が終わり、日本はGHQの占領下に置かれました。その占領期間中、ちょうど70年前の1947年から52年(昭和22~27年)にかけての5年間、日本からの輸出品すべてに“Made in Occupied Japan” <メイド・イン・オキュパイド・ジャパン、占領下日本製>という印を付けることが義務づけられました。

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(↑丸山陶器製の“オキュパイド・ジャパン”製品)

 “オキュパイド・ジャパン(OJ)”は、敗戦後の日本が世界交易の仲間に復帰する途上の一時期、輸出品の全てにOJ印を付けることを義務づけられた“制限貿易”で、全国のどこでも行われた規制であり、5年間に限られた産品であったことから最大の輸出先であったアメリカやカナダなどのコレクターたちから希少ヴィンテージ品として熱い視線が注がれてきました。瀬戸市美術館での企画展では、アメリカ・カリフォルニア州在住で『オキュパイド・ジャパン・コレクターズ・クラブ』代表・田中荘子さんのコレクションから瀬戸市や名古屋市、常滑市など伊勢湾岸窯業地帯から輸出された陶磁製品を中心に約350点が里帰り展示されています。

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 今に残る“オキュパイド・ジャパン”製品の中で最も多いのがやきものであり、とりわけノベルティが大半を占めます。“ノベルティ(novelty)”というのはやきもの製の置物・装飾品のことで、ドイツやフランス等ヨーロッパの窯業技術を手本に一世紀余り前に瀬戸市で生まれ、瀬戸市で高度に産業化したやきもののアイテムでした。歴史の浅い国であるアメリカの人々が憧れてきたヨーロッパ貴族社会の文物を代表的なモチーフとし、恋愛や子どもたちの造形、塩コショー入れやプランター、土産品など数えきれないほど多彩な種類があります。ノベルティは世界80余もの国々に輸出され、戦後の瀬戸に陶都史上最大の繁栄をもたらしてきました。
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 オキュパイド・ジャパン製品としてやきものが最も多く残されてきたのは、種類が多様であること、製品が比較的小さく、価格も比較的安価であること、また色褪せもせず、暮らしの中に確かな位置を占めやすいことなどによるものでした。ノベルティは、この“オキュパイド・ジャパン” 時代を経た後に大きな成長を遂げ、1970年代から80年代にかけて最盛期を迎えました。しかし、1980年代中頃からの激しい円高により消滅の淵に追いこまれ、最盛期には300社を越えるメーカーがあったものの今では瀬戸で実際にノベルティを作っている会社は10社にも満ちません。そうした瀬戸のノベルティの技術と文化を再評価したいとの願いから私たち「瀬戸ノベルティ文化保存研究会」はそのささやかな保存顕彰活動を続けています。

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(↑丸山陶器製の“オキュパイド・ジャパン”トイティーセット)

 戦後貿易の幕開けを約350点ものアメリカからの里帰り品で振り返るという今回の企画展は画期的なことです。これまで占領下の瀬戸市でどんなやきものが作られていたかは全くの空白となっていましたが、今回の企画展によってようやくその空白が埋められることになりました。70年近く前に貨物船で海を越え、今度は飛行機に乗り太平洋を越えて日本に帰ってきた“せとものたち”は、千余年に及ぶ瀬戸窯業史の中で培われたありとあらゆる製陶技術を発揮して作られました。それらは、同時に日本の戦後復興の糧ともなったのです。電力、石炭などの燃料、梱包資材、戦争に駆り出されたことによる職人不足というないない尽くしの時代にもかかわらず、想像を超えるほどの高い生産技術に舌を巻くだけでなく、知られざる時代のやきものが海の向こうでどっこい生きていた…!という大きな驚きと感動を見る人に与えてくれるのです。また、戦後の新しい時代を呼吸するバイタリティや希望も、また戦争という暴圧によっても押し流されなかった“陶都の誇り”も垣間見せてくれています。

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 OJ時代は日本が敗戦から立ち直り、戦後復興へと乗り出していく踊り場のような時代でした。日本各地の地場産業は、この“占領下のオキュパイド・ジャパン時代”の洗礼を受けて戦後の輸出が再開され、高度成長へと歩を進めていくことになりました。この企画展開催にあたって私たちには特別な思いがあります。それは、こうしたOJ時代を里帰り品で振り返る展示会を通して、日本各地の地場産地で“オキュパイド・ジャパン”産品とその諸相が多様に掘り起されていくことを願っているのです。それは、日本のものづくりの戦後の初心に立ち返るとともに、産業の空洞化や後継者難などに直面して疲弊の一途をたどる各地の地場産業の再生と活性化が促され、ものづくりの誇りが日本の各地で掘り起こされることにもつながるのではないかと願っているのです。

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 瀬戸のノベルティ産業は円高というかつてない衝撃によって風前の灯にまで追い込まれてきましたが、レースドールという最高度のノベルティ技術により全国的に注目を集めるような企業も出てきています。“オキュパイド・ジャパン”を“負の遺産”として葬り去るというのではなく、また“自虐史観”というような後ろ向きの歴史観をも超え、“オキュパイド・ジャパン”を日本のまぎれもない歴史の一ページと直視する中にこそ日本のものづくりが強靭に生き残っていく底力と可能性とが見出されるに違いないと私は信じています。
 1月5日(金)から瀬戸市美術館で“オキュパイド・ジャパンへの初詣”ができます。新年の幕開けにあたって、「オキュパイド・ジャパンへの初詣」は如何でしょうか。瀬戸市美術館は瀬戸市文化センターの敷地の中にあります。 ☎ 0561-84-1093            
    (瀬戸ノベルティ文化保存研究会代表 中村儀朋)

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(↑田中荘子さんが瀬戸へ里帰りさせてくれたオキュパイド・ジャパ製品)


☆元旦のテレビに“あの瀬戸ノベルティ”が登場していました。
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*夜9時からのテレビ朝日・元旦スペシャル『相棒~サクラ~』。

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*国家権力の中枢にいる審議官のダーティーな陰謀に加担させられた有能な若者が交番の拳銃(サクラ)を奪い、その権力者にその拳銃で怒りの復讐を遂げようとする事件。事件の核心に迫る警視庁特命係の部屋に山西惇が演じる角田六郎課長が手にするのがこのマグカップ。“暇かっ?”と言って入ってくる角田課長の口癖にちなみ、「暇カップ」と名づけられたこのマグカップが実は瀬戸のあるノベルティメーカーで作られているヒット商品なのです。
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*このドラマ最後の山場で逮捕される若者。その若者に向かって右京が言うセリフが心に沁みました。「この世には不正が蔓延している。しかし、正義や善意があることを信じ、その正義や善意の側に君も経ってくれることを僕は願っています」、というようなことばであったか…。<昨年夏のNHKドラマ『百合子さんの絵本』(という番組名であったか?)で、スウェーデンの駐在武官(香川照之)夫妻の人生をたどったテレビドラマにも、日米開戦を避けようと懸命に進言したにも関わらず、大本営はそうした進言に一顧だにせず、無謀な戦争に突き走ったという愚行にも、この水谷豊が演じた名警部の言葉が同じように響き合って>深い感銘と省察を誘われた次第。この元旦のすぐれた番組にも“瀬戸ノベルティ”の隠れたベストセラーが登場していたのです。

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*この「暇カップ」。インターネットか、東京駅八重洲口地下街の各テレビ局のキャラクターショップが連なるテレビ朝日のショップ↓、または六本木のテレビ朝日の土産物ショップで購入できます。
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(↑東京駅八重洲口地下街のテレビ朝日のショップ)


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