瀬戸ノベルティの名品に“オリジナルモデル” 瀬戸ノベルティ文化保存研究会・瀬戸ノベルティ倶楽部

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“これこそ、せともの”セトノベルティの魅力を紹介し、その技術継承に努める市民活動団体です。

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瀬戸ノベルティの名品に“オリジナルモデル”

 7月29日
☆瀬戸ノベルティが世界の80余ヶ国へ輸出された瀬戸市の一大産物であり、日本の輸出向けやきものの中でも特筆すべきやきものであったにもかかわらず、瀬戸市の文化行政からもまた、肝心な瀬戸の窯業界からも低い評価しか与えられなくなった理由の一つとしてデザインの「オリジナリティ(創造性)の問題」が指摘されます。例えば、丸山陶器の名品と言われる『マスクを持つ男女』(1951年製)の場合。


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(↑『マスクを持つ男女』(:丸山陶器ショールーム:当会撮影)
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(↑当会の活動拠点「瀬戸ノベルティ俱楽部」での展示品↓)
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*実は、この名品にはモデルがあるというのです。次の画像がそれです。↓
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*この製品には、“A LARGE PAIR OF PARIS PORCELAIN POLYCHROME FIGURES, LATE 19TH CENTURY”という説明書きがあり、「19世紀後半頃の衣装を身につけ、印象的で思わせぶりな姿態が造形されている」という宣伝文句が貼付されています。
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*この製品の作者は“V&B”というパリで活動していたコンビの製作者で、1868年にJean-Marie Gilleという陶磁器メーカーを受け継いだ人たちでした。しかし、彼らの製品はあまりに“lifelike”(迫真のリアリティに満ちた素晴らしい出来映え)であったことから、1870年代半ばにはフェイク〈偽物〉の製品も作られていました。

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*この製品の販売文句の中に「…他の多くのアンティークな名品に見られるように、この製品についても、時代が下るにつれて1920年代から1980年代にかけて日本の丸山陶器↓やAndrea by Sadekが手がけた製品のように類似品が現れるようになったとも紹介されています。
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(↑丸山陶器の名品『マスクを持つ男女』:当会所有)

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(↑V&Bという二人の製作者の製品:pair-of-painted-biscuit-porcelain-statues-19th-century↓)
*この二人のコンビが製作した作品には次のような素晴らしい製品がいろいろあります。↓
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*瀬戸ノベルティ研究の第一人者、名古屋学院大学・十名直喜(とななおき)教授の書に『現代産業に生きる技~“型”と想像のダイナミズム~』という労作があります。
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*十名さんはその第2章第3項「瀬戸ノベルティ・丸山陶器の歴史的・国際的到達点」の項で、瀬戸ノベルティの嚆矢で数々の最高級品を作り続けた老舗ノベルティメーカー「丸山陶器」の故加藤豊社長の言葉を採録しています。「瀬戸のノベルティ、中でも、丸山陶器の人形の品質と技術を国際的・歴史的にどう評価すべきかについて、加藤豊氏と熱い議論を交わした。『マイセン人形と瀬戸の人形では、製品の質もマーケットも全く異なる』と加藤豊氏は力説する。…『うち(丸山陶器)の製品がマイセン人形の代替品というのは畏れ多いです。マイセン人形は別格であり、正確にはいわゆるドレスデン人形などの代替品として輸出されました。…うち(丸山陶器)も、よくここまでやったと思う。瀬戸の他社に比べて、一頭抜きんでた水準まで到達したが、マイセンと比較できるところまではとても行きませんでした』、と述懐する。

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(↑丸山陶器社長・故加藤豊さん:当会撮影↓)
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(↑右が加藤豊さん・この数日後に急逝されました:当会撮影)

…さらに、ブランド戦略については、『当社としては、ブランド化の意図はありませんでした。かりにそれを志向したとしても、何世代にもわたる時空が必要とされることであったと思います』と述べる。米国をはじめとする市場では、売場、価格帯、購買層などがまったく違う。宝飾品としてのマイセン人形は、4インチ(10センチ)の小物でも数万円し、大型人形となると数百万円にも上る。丸山陶器の人形は宝石店には置かれず、一部の骨董店にはあったものの、ヨーロッパ製として置かれていたのではないかと推測される。ギフトショップやデパートのギフト売場が主で、価格はマイセン人形の1割にも満たなかった」(同書 p82・78)
十名教授は、瀬戸ノベルティが切り拓いてきた独自な側面に注目する中部エスピー社長の星野登氏や「模倣から脱し、セト・ノベルティとして自立し始めた」と捉える服部文孝氏の言葉を引用した後、「大極的にみれば、ようやく独自な瀬戸ブランドづくりの段階に入った瀬戸ノベルティであった。しかし、瀬戸ブランドづくりには乗り越えなければならない課題も少なくなく、地域を挙げて取り組むには至らないまま、80年代後半以降の急激な円高の波に飲み込まれていくのである」と結んでいます。(同書 p83)

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(↑丸山陶器の名品「マスクを持つ男女」の石膏型)
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*当会は瀬戸ノベルティの至宝を生み出し続けてきた丸山陶器の文化的顕彰を行う唯一の市民活動団体です。今秋も行います。

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