アーカイブ :2017年08月05日 瀬戸ノベルティ文化保存研究会・瀬戸ノベルティ倶楽部

瀬戸ノベルティ文化保存研究会・瀬戸ノベルティ倶楽部

“これこそ、せともの”セトノベルティの魅力を紹介し、その技術継承に努める市民活動団体です。

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オキュパイド・ジャパン~未来にむけて語り継ごう、歴史の記憶~

 8月5日
☆ただ今、当「瀬戸ノベルティ俱楽部」では、『語り継ごう、歴史の記憶』と題し、田中荘子さんが里帰りさせてくださったオキュパイド・ジャパン製品の展示を行っています。今日はその特集です。

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(↑OJ時代の尾張瀬戸駅を中心とする瀬戸市外の航空写真:米軍撮影/当会が国土地理院から入手した写真)

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*↑この写真は、田中荘子さんが当会に提供して下さったアメリカのあるオキュパイド・ジャパン製品コレクターのご自宅の様子です。所狭しと取集品が並んでいます。↓
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*昨年春、東京の「世田谷文化生活情報サンタ―・生活工房」で田中荘子さんの収集品を特集展示する『Made in Occupied Japan1947-1952・海を渡って陶磁器展』が行なわれました。
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*そのチラシ文が的確で素敵なので、その一部に当会が加筆させて頂き、オキュパイド・ジャパン製品の位置づけとその展示の意味の説明として、ここに勝手ながら転載させて頂きます。↓
「第二次世界大戦後、連合国の占領下にあった日本。オキュパイド・ジャパン(OJ)とは、民間貿易が再開された1947年(昭和22年)から1952年(昭和27年)にかけての5年間にGHQが『Made in Occupied Japan(占領下の日本製』の刻印を義務づけた輸出品のことです。OJ印がつけられた製品は、陶磁器や装飾品、衣類、カメラ、ミシン、玩具、日用品など多種多様で、その希少価値から米国とカナダを中心に収集の対象となり、愛されてきました。…終戦後の厳しい状況であったにもかかわらず、日本人はものづくりから生活を、誇りを取り戻しました。日本が占領下にあったという歴史さえ忘れられつつある今、当時の人々のエネルギーと熱意のこもった陶磁器は、私たちに平和のメッセージを伝えてくれます。美しく愛らしい陶磁器の品々から、日本のものづくりと戦後70年を見つめます」。

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(↑丸山陶器の当時の資料:当会収集資料↓)
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*この展示会には瀬戸市の伊藤市長も訪問され↓、①オキュパイド・ジャパンの展示品の多くが瀬戸市で作られたこと、②瀬戸市で実現した戦後最大の繁栄がそのオキュパイド・ジャパン(OJ)時代を経てもたらされたこと、③瀬戸市の戦後貿易の起点がオキュパイド・ジャパン時代が始まった1947年であり、今年2017年がそれからちょうど70年前にあたることなどから、今年12月から来年1月にかけて瀬戸市美術館での公式開催が決まったのです。瀬戸市での本格的なオキュパイド・ジャパンの特集展示は初めてのことです。
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(↑写真提供:世田谷・生活工房)

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*↑この展示会では、当時、生活のため、家族の暮らしの助けにオキュパイド・ジャパンのゴム印を押した経験を持つ瀬戸市民の話(当会の発掘証言)もパネルで紹介されました。
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*↑また、その後に到来した瀬戸陶業史上最大の繁栄をもたらすことになった「ノベルティ生産への集団就職」という歴史的出来事も当会の情報と写真提供によりパネル展示されました。

☆現在、当「瀬戸ノベルティ俱楽部」に展示している製品をご紹介していきます。
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*まず、3人のキュートな少女のフィギュリン(ノベルティ人形)です。
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*次に擬人化された素敵な製品と“NAPCO”という裏印(ブランド名)が入っているノベルティをご紹介します。↓
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*↑この製品の裏印に“NAPCO”という裏印(ブランド名)が入っています。こうした陶磁器の製造メーカーや系譜に詳しいアメリカのある識者は“NAPCO”について次のように紹介しています。
…Napco stands for National Potteries Corp., which was founded in Bedford, Ohio, in 1938. It originally made florist ware and also imported decorative objects from Japan. Manufacturing was later discontinued and the company just imported goods. Napco figurines are similar to some of Hummel's figurines. … producer of ceramic animal figures, birthday sets, decorative items, kitchenware, figurines, planters, and head vases of the 1950s and 1960s, their sister company“Inarco” is from the Napco lines
ー「“NAPCO(ナプコ)”というのはNational Potteries Corpの略称。1938年オハイオ州ベッドフォードという町で創立。最初は主に花屋(フローリスト)向けの花器などを製造し、また装飾品などを日本から輸入していた。その後、自社製造はやめ輸入専門に特化。この会社の製品はどことなしにハンメル(フンメル)に似ている。主な取扱い製品として、陶磁器の動物、誕生祝い品、装飾品、台所用品、陶磁器人形、植木鉢、1950年から60年代にかけてはヘッドヴェースなど。また、“Inarco(イナルコ)”は同社の姉妹会社」。
*アメリカで日本製の“NAPCO(ナプコ)”と出会ったある人は次のような思い出を述べています。「数年前、私は義母から一つのNAPCOの製品をもらいました。それは新聞を読んでいる少年のノベルティで、5インチ半ほどの大きさのもの、ハンメルに似た製品でしたが“Hummel ”のマークはありませんでした。不思議に思いましたが、一体、どんな会社が作ったのでしょうか…」。その問いに対しその識者は7「おそらく“NAPCO(ナプコ)”の製品でしょう」と回答しています。

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*また、ある女性は次のように感想を述べています。
「“When I was a girl of ten 55 years ago, the phrase "Made in Japan" was usually uttered in derision. Anthing ugly, cheaply made and garishly (不快なほど、けばけばしいような)painted was said to have been "Made in Japan." There was some truth in that. However, by the early 1950's, Japanese artisans were once more creating delicate beauty, just as their ancestors had done”.
もう55年も昔、私が10歳の少女だった頃、『日本製』という言葉に出会うと、いつも私の心の中に嘲りのような思いが湧き起るのを禁じえませんでした。なにか醜くくて、安っぽい作り、けばけばしいというか、不快な絵付けが施されているというのが『日本製』のイメージにつきまとっていました。確かにそれはどこか真実であったことでしょう。しかし、それも1950年代初め頃ともなると、日本の職人たちは彼らの先人たちがそうであったように、再び繊細な美しさというものを作り出すようになっていました。少し前から私は、アメリカ向けに日本で作られた修道女や修道士たちのノベルティを集めてきました。それらのほとんどは1950年代に“ナプコ”製品 を含めた日本の沢山のメーカーによって作られたものでした。それらはどれも魅力的で、美しく形作られたものばかりでした。製品のどの部分を見ても、特に顔の部分が、繊細に、また端正に色づけが行なわれていました。(これは余談になりますが、この時代には何千と言う製品が作られていましたが、他社の製品の模倣やよく似た製品が作られていました。Napco/Napcoware, Nikoniko, Chaseなどを始めとしてさまざまな会社が入り乱れて模倣合戦を繰り広げていた、そんな一面もあったのですが…」。

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*↑この製品に焼き付けられた裏印。↓
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*これは“Goldcastle”の裏印です。この裏印はオキュパイド・ジャパンの研究を続けておられる吉原ゆう子さんから提供された情報によれば、オキュパイド・ジャパン時代の昭和25年に丸山陶器が申請した裏印であることがわかりました。↓
丸山陶器OJ裏印→名古屋陶磁器会館→田中さんds
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*また、別の資料では1950年代から60年代にかけての裏印とあり、さらに戦前に営業し戦後の1954年(昭和29年)に廃業した「田代商店」のマークであった、との情報もあります。

☆瀬戸市美術館で開催されるこの「田中荘子コレクション展」では、これらの製品を収集してこられた田中荘子さんのトークショーも計画されているようです。また、会場の一階では当会制作による『陶都の記憶・オキュパイド・ジャパン(仮題)』のDVDも上映されることになっており、今、その編集作業を進めています。このDVDでは田中荘子さんの“オキュパイド・ジャパンに寄せる思い”もご紹介することにしています。



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