アーカイブ :2017年04月 瀬戸ノベルティ文化保存研究会・瀬戸ノベルティ倶楽部

瀬戸ノベルティ文化保存研究会・瀬戸ノベルティ倶楽部

“これこそ、せともの”セトノベルティの魅力を紹介し、その技術継承に努める市民活動団体です。

瀬戸ノベルティ文化保存研究会 We are the Seto Novelty Culture Preservation Society, a citizens’organization in Seto City, Aichi Prefecture 、Japan◆瀬戸ノベルティに“最高の評価”!レース人形の最高峰・TK名古屋人形製陶所製「アン王女」が皇室に献上!★瀬戸から「ノベルティ」と「昭和の青春切符~集団就職の記録~」を『日本遺産』に!◆時を超えて香り立つ魅力・ノベルティこそ“瀬戸の華”!セト・ノベルティこそ「せともの」!【瀬戸ノベルティ倶楽部:The Seto Novelty Club〈office〉、Americans who love SETO NOVELTIES, your mail to us is deeply welcome. address :setonovelty_club@yahoo.jp】 写真などこのブログでの画像の無断使用は固くお断りします!

2017年03月 | ARCHIVE-SELECT | 2017年05月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

“レースドール製作体験講座”、今日開催!

4月29日(土曜日)
☆当会は今日29日、当会の活動拠点「瀬戸ノベルティ俱楽部」で“レースドール製作体験講座(ワークショップ)”を開いています。今日は13人がレース人形作りを楽しんでいます。参加者はすでに定員に達しており、好評であれば今後も開催の予定です。今日の製作体験の様子を速報します。


bbbbew.jpg
*↑今日、作っているレース人形です。
IMGP8285ds.jpg
IMGP8276ds.jpg

IMGP8398sa.jpg
*↑会場の「瀬戸ノベルティ俱楽部」。
IMGP8419ds.jpg
*↑午前10時半、「瀬戸ノベルティ俱楽部」で。

IMGP8244sa.jpg
*↑今日は左側のようなものを作ります。時間をおいて窯で2回焼き、右のような完成品になってそれぞれの手元に渡ります。

IMGP8441sd.jpg
*講師が生生地(なまきじ:グリーンウェア)を用意してくれ、それを元に、バリ取り、頭部の絵付け、目描き(講師が手を入れてくれることもあります)で午前中の作業は終わりました。
IMGP8430sa.jpg
IMGP8442ds_201704291121180f6.jpg
*↑男性も一人参加しています。
IMGP8449ds_20170429112318181.jpg
IMGP8445we.jpg
IMGP8437x.jpg
*↑プロの絵付け職人さんも絵付けを手伝ってくれます。
IMGP8439sa.jpg

IMGP8454sa.jpg
IMGP8458ds.jpg

IMGP8462sa.jpg
*午後からレース付けの作業へと進みます。

IMGP8257sa.jpg
*↑完成品の高さは16センチ強。今日作るのはおよそ18 ㎝弱で、焼成により収縮します。↓
IMGP8253as.jpg

IMGP8601sa.jpg
*↑午後。レース人形の製作作業が進んでいます。ドレス本体の部分へのレースの取り付けがほほ終わり、参加者は、手の取り付けと格闘しています。両手の付け具合が人形の心の表情を左右するからです。
IMGP8564sa.jpg
IMGP8576sa.jpg
IMGP8539sa.jpg

IMGP8518s_20170430082200c7c.jpg

*まず一回焼成し、その後に釉薬を塗り、次に二回目の焼成を行ってレース人形は完成します。



| 記事 | 09:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

明日29日、レースドールを楽しむ体験会を開催!

4月28日
☆当会は明日29日(土曜日)、当会の活動拠点「瀬戸ノベルティ俱楽部」で“レースドールを作って楽しむワークショップ”を開きます。参加者はすでに定員に達しており、好評であれば今後も開催予定です。その準備が進んでいます。今回作る予定のレースドールは次のような作品です。

IMGP8234ds.jpg
IMGP8255sd.jpg
IMGP8254ds.jpg
IMGP8240re.jpg

*次が土台となる生生地(なまきじ・グリーンウェア)です。↓
IMGP8233ew.jpg

*この生地に手↓と泥漿(でいしょう)を染み込ませたレース布↓を取り付けます。
IMGP8252ds_20170428123926238.jpg
IMGP8250fd.jpg
IMGP8245sa.jpg

*次の画像の左が焼成前、右が焼成後です。この作品の場合、焼成によって約13パーセントほど収縮します。
IMGP8244ds.jpg

IMGP8235ds_20170428123002576.jpg
ii (1)sa
ii (2)ds
*銘々が作った作品は後に焼成し、完成品をそれぞれお持ち帰り頂くのです。

4月28日
☆当会の友好団体「せと狛犬プロジェクト」が7月、華の都・パリで開催される日本文化の祭典「ジャパン・エキスポ」に参加します。そのニュースが今日の中日新聞に掲載されました。

IMGP8217ew.jpg

*「ジャパンエキスポ」は日本文化に憧れを抱くフランス人が設立したイベント会社が運営するヨーロッパ最大の「日本文化とエンターテイメント」の祭典(外務省や経産省の後援も)。漫画からゲーム、伝統文化からポップカルチャーまで“クールジャパン”として近年とみに人気が高まる日本文化の多様な魅力をフランスの人たちに丸ごと満喫してもらいたいと、パリを主会場として開催されています。2000年に始まり、昨年の集客は24万人。今回が18回目で、今年7月6日~9日に開催されます。
IMGP8218ds_20170428072502ae4.jpg
*「ジャパンエキスポ」には日本の伝統文化や各地の産物を紹介する出展ブースが設けられ、「せと狛犬プロジェクト」から神尾代表ら10人が参加します。「ジャパンエキスポ」では特に“コスプレ”人気がきわめて高く、会場には1万5千人収容の大舞台が設けられ、「せとくん」が着ぐるみでサックスを演奏、それに合わせて「こまちゃん」などが華麗な踊りを披露します。
展示品の芸妓製作中の神尾さんtr
(↑出展製品を製作中の神尾周治さん)
IMGP8219ds_201704280727548bf.jpg

*出展ブースでは、特に瀬戸のノベルティ生産で盛んに用いられた「ハクウン(白雲)」という軽くて発色鮮やかな粘土生地で作った芸妓人形や県瀬戸窯業技術センターで開発された蓄光粘土による金魚やブローチの展示販売も行い、日本を代表するやきものの町・瀬戸をPRします。
出展展示販売品20170422撮影d
(↑出展予定の製品)

*神尾さんは瀬戸ノベルティの一ジャンルである土産物(スーベニア)メーカーの経営者です。当会が製作したオリジナルキャラクター『はち丸』↓を作ってくれた人です。
CIMG1056ds.jpg
(当会が製作した徳川宗春像〈左〉・はち丸〈右〉)
CIMG6318ds.jpg
(↑当会が製作したオリジナルノベルティのはち丸↓)
はち丸①023re

201005081811002sd.jpg
(↑はち丸を製作中のノベルティ)
201005081805000ds.jpg
(↑はち丸の石膏型)

IMGP8220s.jpg
ああds

*「瀬戸市はまだまだ瀬戸のやきものの魅力を発信していないように僕には思われてなりません。特に瀬戸のオンリーワンであるノベルティがそうです。それはとても勿体ないことじゃないですか…」。ノベルティのような、瀬戸ならではの本当のやきものが顧みられてこなかったことを神尾さんは深く嘆き、自分なりに瀬戸の魅力をオリジナルのご当地キャラを通して活動を続けてきました。かけがえのない瀬戸の魅力を充分に発信しないまま瀬戸窯業が衰退の一途をたどっていくのは忍びない…。そんな無念の思いが神尾さんに今回のパリ行きを決意させたように当会には思われます。

ssssds


| 記事 | 06:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

“レースドールを作って楽しむワークショップ”を29日(土曜日)に開催。

4月26日
☆当会は今週の29日(土曜日)、当会の活動拠点「瀬戸ノベルティ俱楽部」で“レースドールを作って楽しむワークショップ”を開きます。この間の経緯とワークショップを開催する理由は以下のとおりです。

いいいew
*中国で創始された“磁器”。そして、磁器生産は中国に遅れて日本の有田で開花しました。そうしたアジアの磁器に強く憧れたのがヨーロッパ諸国で、ヨーロッパで初めて磁器が創出されたのが18世紀初めのドイツ・マイセンでした。特に磁器で作られた人形(ポーセリンフィギュリン)の人気は高く、宮廷貴族の需要に応えるため18世紀後半、レースドール(人形)がドイツのザクセンやチューリンゲン地方で生み出されたと言われています。レースドールは新世界・アメリカにも伝えられ、やがて第二次世界大戦後、趣味や生き甲斐を追求するアメリカ女性の工夫と情熱によってレースドールは発祥の地ドイツをしのぐほどの精緻な作品が作られていきました。レースドールは手工芸品の極致と言える“やきものの華”となったのです。
ssssfd
(↑テーケー名古屋人形製陶所製のレースドール)
えええds
*瀬戸市の窯業関係者がレースドールと出会ったのは戦後まもなくのことだそうです。
DSCF0188ds.jpg
(↑テーケー名古屋人形製陶所)
*「テーケー名古屋人形製陶所」の加藤星鏡さん(現会長)は昭和25、6年頃、アメリカ・シカゴの見本市を訪れました。星鏡さんはその時、展示会場に一体のレースドールが展示されているのを見ました。瀬戸市の窯業関係者が初めてレースドールというものと出会った瞬間でした。
IMGP1922ds_20170426021042ef1.jpg
(↑「テーケー名古屋人形製陶所」の加藤星鏡会長)
*加藤さんは初めてそれを目にした時、「これがレースドールというものか…。レースドールはきっと日本でも人気になるにちがいない」と思ったそうです。当時、加藤さんの会社は布レースを扱う会社とも知り合いで、その会社から布レースを納入してもらい、瀬戸窯業界として初めて「布レースに泥状の粘土を染み込ませて作るレースドール」を生み出すことに成功したのです。
石原陶器貿易寄贈2016年3月 1d
(↑「テーケー製陶所」製のレース人形:石原陶器貿易から当会への寄贈品↓)
石原陶器貿易寄贈2016年3月 (2)re
石原陶器貿易寄贈2016年3月 (4)d
石原陶器貿易寄贈2016年3月 (5)sa

*瀬戸には「後藤松吉商店」(後の「ゴトー」)というノベルティメーカーがあり、ちょうど同じ頃、同メーカーは「和紙に泥状の粘土を染み込ませて作るレースドール」を生み出していました。また、もう一社のノベルティメーカーでも和紙を用いたレースドールを生み出していました。
IMGP8197sd.jpg
(↑和紙を用いたと思われるレースドール:石原陶器貿易から当会への寄贈品↓)
IMGP8198ds_201704260112289c5.jpg
*↑和紙を用いたレースドールは“板レース”とも呼ばれるそうです。↓
IMGP8204ds_20170426011407ca8.jpg
IMGP8200ds_20170426011451977.jpg

石原陶器貿易寄贈2016年3月 (2)sd

*「テーケー製陶所」(現テーケー名古屋人形製陶所)は布レースを用いた美しいレースドールの生産を次々と成功させていきました。(以下はレースドールの名品『アン王女』製作工程の一シーン↓:当会撮影)
IMGP6788ds.jpg
IMGP6843ew.jpg
IMGP6847wq.jpg
IMGP6861ew.jpg
IMGP7046ew.jpg
IMGP1872ds.jpg
(↑焼成窯から出されたばかりの名品『アン王女』)

*そして、「後藤松吉商店」も、またもう一社のノベルティメーカーも和紙から布レースを用いてのレースドール生産へと転換していきました。
石原陶器貿易寄贈2016年3月 (3)ds

*世界的にみれば、レースドールは発祥地・ドイツの他、ナチスドイツの迫害からのがれて渡ったアイルランドにも“アイリッシュドレスデン”として根づきました。そして、日本では瀬戸市が唯一のレースドール生産地となってきたのです。
IMGP1951ds_201704260126574bc.jpg
(↑レースドールの最高峰とされるテーケー名古屋人形製陶所製「アン王女」:映画『ローマの休日』のヒロイン↓)
IMGP1973re.jpg
IMGP1979fd.jpg
IMGP2013ds.jpg

*しかし、円高などの影響で、ノベルティメーカーが次々と消えていくにつれ、今では瀬戸ではレースドールを作るノベルティメーカーは「テーケー名古屋人形製陶所」ただ一社となってしまいました。

*「テーケー製陶所」現社長の加藤徳睦さんによれば、1970年代、瀬戸にはレースドールメーカーが数社あったそうです。また、その頃、アメリカから日本の愛好家の間に本格的なレースドール製法が伝えられました。
IMGP2514d.jpg
IMGP2512ds_201704260149358c0.jpg

*瀬戸市には2014年まで、ノベルティメーカーに併設したレースドール教室がありました。しかし、そのメーカーの廃業に伴ってレースドール教室もなくなってしまいました。以来、レースドールを作ってみたい、どこかレースドール教室を教えて欲しいという問合せが当会にたびたび寄せられるようになりました。そこで、当会は、当会会員で、東京在住のレースドール作家と相談し、当会の活動拠点「瀬戸ノベルティ俱楽部」でレースドールのワークショップを4月29日(土)に開くことにしたのです。

IMGP2471ds.jpg
(↑瀬戸ノベルティ俱楽部)
IMGP5874sa.jpg
*↑29日は、瀬戸ノベルティ俱楽部の中、こんなリラックスした雰囲気でレースドールを楽しみます。会費制ですが、すでに定員に達しており、もう参加できません。好評であれば今後も折に触れ、「テーケー名古屋人形製陶所」の協力も頂いて開催していきたいと考えています。

IMGP4291ds.jpg
(↑今回のワークショップで講師をお願いするレースドール作家の作品)


| 記事 | 02:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

『ドン・キホーテ』のノベルティ

4月25日
☆『ドン・キホーテ』のノベルティをご紹介します。 

IMGP8175r.jpg
IMGP8176re.jpg
*↑これは本の形をした『ドン・キホーテ』のノベルティで、「丸利商会」から当会が入手したノベルティです。
IMGP8182ew.jpg
IMGP8194fd.jpg
*これは1985年、円が急騰する「プラザ合意」が行われた年の製品でした。↓
IMGP8195ew.jpg
*“Offering Southport Limited Cervantes "Don Quixote". A limited edition of 7,500 of which this is no  GARE Inc. U.S.A. 1985 Designed and Sculptured by Garry Sharpe. ”と底に書かれています。7500点限定で作られ、サウスポートという商社が買い付け、GARE Inc.という会社の製品としてアメリカで販売されました。この製品はGarry Sharpeという人がデザインと原型を手がけていたことがわかります。匿名性が特徴だった瀬戸のノベルティのありようとは大きく異なります。
IMGP8179fd.jpg
IMGP8183fd.jpg
IMGP8178re.jpg
IMGP8185ds_2017042500290976a.jpg

*当会はテーケー製陶所からも『ドン・キホーテ』のノベルティを入手しています。↓
IMGP4739fd.jpg
IMGP4740f.jpg
IMGP4757fd.jpg
IMGP4748f.jpg

*当会はこの製品の意匠認証申請書も入手しています。
IMGP5142sd.jpg
IMGP5140re.jpg
IMGP4758fd.jpg
IMGP4747fd.jpg
IMGP4750fd.jpg

*テーケー製陶所の『ドン・キホーテ』のノベルティには、この製品の他にもう一種類の製品がありました。↓
IMGP5147ds.jpg
IMGP5146re.jpg







| 記事 | 00:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

せと狛犬プロジェクト、華の都パリへ!

4月24日
☆瀬戸市の市民活動団体「せと狛犬プロジェクト実行委員会」(神尾周治代表)が今年7月、やきものの街・瀬戸をPRするためフランス・パリに行くことになりました。

securedownload[1] (2)re
(↑左:こまちゃん、右:せとくん、愛フェスタで、2016年撮影)

*「ジャパンエキスポ」は日本文化に憧れを抱くフランス人が設立したイベント会社が運営するヨーロッパ最大の「日本文化とエンターテイメント」の祭典(外務省や経産省の後援あり)。漫画からゲーム、伝統文化からポップカルチャーまで“クールジャパン”として近年とみに人気が高まる日本文化の多様な魅力をフランスの人たちに丸ごと満喫してもらいたいと、パリを主会場として開催されています。2000年に始まり、昨年の集客は24万人。今回が18回目で、今年7月6日~9日に開催されます。
展示品の芸妓製作中の神尾さんtr
*今、パリへ発送する展示販売品の製作が追い込みの最中です。「ジャパンエキスポ」には日本の伝統文化や各地の産物を紹介する出展ブースが設けられ、「せと狛犬プロジェクト」から神尾代表ら10人が参加します。
出展展示販売品20170422撮影d
*この出展ブースでは、特に瀬戸のノベルティ生産で盛んに用いられた「ハクウン(白雲)」という軽くて発色鮮やかな粘土生地で作った芸妓人形や県瀬戸窯業技術センターで開発された蓄光粘土による金魚やブローチの展示販売も行い、日本を代表するやきものの町・瀬戸をPRする予定です。
IMGP8158fd.jpg
(↑「ハクウン(白雲)」生地の芸妓のノベルティ↓)
IMGP8161fd.jpg
IMGP8168df.jpg
(↑水に浮くほど軽い「ハクウン」生地の金魚↓)
IMGP8171df.jpg

* 「ジャパンエキスポ」では特に“コスプレ”人気がきわめて高く、会場には1万5千人収容の大舞台が設けられ、「せとくん」が着ぐるみでサックスを演奏、それに合わせて「こまちゃん」などが華麗な踊りを披露する予定です。
setofdvvvvv.jpg
(↑自慢のサックスを吹くせとくん)
securedownload[1]岸江撮影gr
(↑左から:神尾周治さん、中:こまちゃん、右:せとくん)

| 記事 | 21:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

澤宮優著『集団就職~高度経済成長を支えた金の卵たち~』が発刊!

4月23日
☆待望久しい集団就職についての本が出版されました。澤宮優著『集団就職~高度経済成長を支えた金の卵たち~』、福岡市の弦書房からこのほど刊行された本で、今日、著者の澤宮さんから当会に新著が寄贈されました。 

IMGP8116v.jpg
*出版社の弦書房では、「集団就職と言えば東北や北海道から東京への集団就職ばかりが語られ、九州や沖縄からの集団就職がほとんど語られないのは如何にも残念」と、ノンフィクションライターの澤宮優さんに執筆の仕事が舞い込んだのだそうです。 
IMGP8117ds.jpg
*澤宮さんは瀬戸の町への集団就職についても取材を重ねられ、書いてくれました。↓
瀬戸fd
*澤宮さんは、瀬戸市の最大の洋食器メーカーであった宮崎製陶への集団就職を具体的に取材されています。宮崎製陶の場合、同社へ集団就職した女性たちで作る「宮崎製陶OG会」があり、そのメンバーへ取材されたようです。↓
宮崎fd
IMGP9349ds.jpg
(↑宮崎製陶で働く女性たち:当会収集写真)
IMGP6572ds.jpg
*↑2005年の「愛知万博」の折、瀬戸の元工場跡を再訪した宮崎製陶OG会のメンバー。当時、この小路を挟んで両側に立ち並んでいた工場はすべてが解体され、高層マンションや建売住宅に一変していました。(2005年当会撮影)
IMGP6571d.jpg
*↑2005年当時、彼女らの後方にまだ残されていた寮はその後すべてが取り壊され、建売住宅に変わり、今はもうありません。まさに往時茫々です。宮崎製陶の集団就職を詳細に調査していた当会提供の資料や情報が澤宮さんのこの本の出版に役立ったようです。
IMGP8120ds.jpg
*↑瀬戸への集団就職などの項では当会中村が独自に掘り起こした瀬戸ノベルティの会社への写真も6枚掲載されました。↓
IMGP8121ds.jpg
IMGP8122ds.jpg
*この書の第七章「いま、働くことの意味を問う」で当会・中村の所感も紹介して頂きました。
IMGP8123d.jpg
「集団就職された方が働き蜂の世代だと揶揄されたとしても、彼ら、彼女たちの存在がなければ戦後復興はなかったと思います。なぜこれほどの大きな働きが記録されていないのだろうと思いました。如何にすごい勢いで働いていたか、取材すればするほど知りました。集団就職というものをきちんと評価していないんですね」。(P228~229 )
IMGP8124ds.jpg
「端的にいえば、無名の群像とされてきたけど、名前も人生もある一人なんです。それを無名の群像として集約して忘れちゃう。勿体ないことであり、罪なことです。いろんな人たちの集積が今の日本という国で、その町の構成員になっているんです。この方たちがどういう仕事をしてどんな思いで住んでいるのか記録を残すことが大事なことだと思うんです」。(P229~230)

IMGP8125ds.jpg

IMGP3564ds.jpg
IMGP6406ds.jpg
IMGP3580fd.jpg

*当会は、瀬戸市がこの「集団就職」を学術的に、また社会学的に調査研究し、この「集団就職体験」を地域的な個性豊かで活力ある町づくりに活かすような仕掛けとして瀬戸市が文化庁所管の「日本遺産の認定都市」に名乗りを上げて欲しいと次のように強く瀬戸市長に提言しています。
「私たちの研究により、瀬戸のノベルティが日本最大級の輸出やきものであることがわかってきました。多様な文化や宗教、人生観に満ちた世界の80もの国々に送り出されたノベルティほど、異文化理解や多文化共生に大きな役割を果たしてきたやきものは他にありません。そうした途方もない世界性を持つ製品を生み出す力となった集団就職という大仕事の中に地域を再生させる活力や魅力が埋もれていないはずはありません。その観点から私は、地域の活性化や賑わいの創出を目的とする文化庁所管の国家的事業『日本遺産』に熱く注目しています。“戦後日本の一大叙事詩”とも呼ぶべき集団就職をどのように今に活かし、後世へ伝えていったらよいのか。その一つの方途として集団就職を文化庁の所管になる『日本遺産』に認定登録してもらい、集団就職を再評価してもらえるうような広域的な取り組みが関係自治体から育まれることを私は期待しています。九州から最初の集団就職専用列車が走って60余年。青春を打ち込んで異郷の地で全力で生きぬいきた若者たちの集団就職を“誇りある群像”として再発見し、再評価することの中に私たちは地域おこしの新たな活力と叡智を見出せるのではないか、と思うのです」。

IMGP8128re.jpg
(↑澤宮優著『集団就職~高度経済成長を支えた金の卵たち~』より↓)
IMGP8129ds.jpg
1r_20170423214623265.jpg
2r_201704232147069a5.jpg

DSCF0149ds.jpg
*↑瀬戸市・尾張旭市・瀬戸雇用推進協議会が共同で編集した集団就職者雇用のためのパンフレット『愛知県就職案内・瀬戸』。
DSCF0147re.jpg
*↑このパンフレットに掲載されていた集団就職の若者たちの憩いのひととき。(瀬戸市に隣接する憩いの場・森林公園で)
IMGP6531fd_20170423212411fc5.jpg
*↑当会が鹿児島県に住む元集団就職者から収集した写真(同じ森林公園で)。
IMGP6523ds.jpg
(↑瀬戸市への集団就職を報じた当時の地元新聞記事)
IMGP4323fd.jpg
(↑瀬戸市と瀬戸の窯業関係団体などによる新卒者の歓迎会)
IMGP8127ds.jpg
(↑澤宮優著『集団就職~高度経済成長を支えた金の卵たち~』より↓)
IMGP8131er.jpg

*現代の日本は外国から“クールジャパン”として文化的に熱く注目され、また、日本社会の様々な局面が夥しい数の外国人やその労働力によって支えられている一方で、高度経済成長期の日本を彩る特異な社会現象であった「集団就職」は日本人社会の底層深く埋没されたまま看過されてきました。「集団就職」というこのリアルな戦後史の一大事が日本の中でまるで今なお“まつろわぬ人々の群れ”でもあるかのように忘れ去られてきたことは、考えてみれば実に異様で異常なことのように思えてなりません。当会は澤宮優さんのこの新著がそうした「罪深い偏見と無関心」を熔解してくれる契機の一冊として高く評価されるべきである、と受けとめています。

※澤宮優著『集団就職~高度経済成長を支えた金の卵たち~』の出版社は弦書房、
〒810-0041 福岡市中央区大名2-2-43-301 <定価2000円+税>
☎092-726-9885  ファクス092-726-9886 
※最寄りの書店からも、また直接弦書房へも注文できます。



☆水木しげるの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』に登場するキャラクターをモチーフとした珍しいやきもの製のノベルティをご紹介します。
IMGP8031fd_201704230624519ba.jpg

*これらは“鬼太郎”のふるさと・島根県の業者から発注され瀬戸市で作られてきた製品で、瀬戸市では売られていません。

aaew.jpg
*↑この製品は日本酒を入れる瓶で、瀬戸の次のメーカーで生地が作られていました。↓
cr.jpg
b (1)ds
IMGP2663fd.jpg
IMGP2664fd.jpg
*このメーカーは昨年秋に工場のすべてが解体され、今は更地となって買い手を探しています。↓
b (2)re

IMGP8036d.jpg

IMGP8051df.jpg

IMGP8034d.jpg

| 記事 | 06:22 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

帽子をかぶった“キッチュ”なノベルティ人形

4月19日
☆当会の収集品の中から、帽子をかぶった“キッチュ”なノベルティをご紹介します。 以下はいずれも昭和30年代から40年代にかけて瀬戸市で作られたノベルティです。

IMGP7166ds_201704191131122eb.jpg
IMGP7175d.jpg
IMGP7194d.jpg

IMGP7168ds.jpg
IMGP7167d.jpg
IMGP7171er.jpg
IMGP7173r.jpg
IMGP7193fd.jpg
aaaau.jpg

IMGP7200ds_20170419115155348.jpg
IMGP7201 s
IMGP7203fd.jpg
IMGP7202fd_201704191155200b6.jpg

*これらは、いずれも当時きわめて安く売られていました。しかし、今なお、こうした“キッチュ”なノベルティは特にアメリカで数多く残されていて、きわめて高価なものとして売買されたり、交換されたりしています。しかし、肝心な瀬戸のメーカーはそうした事実を全く知りません。このような製品が今なおアメリカに数多く残されているという事実も、また、当時では全く想像できないほどの高い評価を集めていることを知りません。

IMGP5397s.jpg
*↑今はもうない「日光陶器」の製品で、オルゴールのノベルティです。↓
IMGP5399fd.jpg
IMGP5398ds_201704191214484dc.jpg
IMGP5411ds_201704191216554ae.jpg

IMGP6962fd.jpg
*これも「日光陶器」の製品で、『ティファニーで朝食を』のヒロインをモティーフとしたノベルティです。↓
IMGP6964fd.jpg

IMGP7206ds.jpg
IMGP7208ds_20170419115650e23.jpg

CIMG1867fd.jpg
*↑「池田マルヨ」というノベルティメーカーの製品です。これらの製品の在庫の多くは廃棄してしまったそうです。↓
CIMG1869fd.jpg

IMGP1655fd.jpg
IMGP1662tr.jpg

CIMG1873fd.jpg
CIMG1874fd.jpg
CIMG1877fd.jpg
CIMG1885fd.jpg

*今なお、アメリカでこうした“キッチュ”なノベルティが人々の心をとらえているという思いがけない事実。「陶都の再生」ということを考える際にその事実はおおいに注目すべきことであると考えます。その事実の中に、今から40年から半世紀も前に瀬戸で作られたこうした瀬戸のノベルティの中に時と場所を隔てても人のこころを捉える魅力や力が埋もれてからに違いない、そう思われるからです。そうした魅力や力を持つノベルティの特質は、例えば当会が“キッチュ”と呼ぶような特質ではないか、と考えるのです。

IMGP6777r.jpg
IMGP6784ds.jpg
IMGP6792fd.jpg
IMGP6790r.jpg
IMGP6791fd.jpg

IMGP0454fd.jpg
IMGP0455ds.jpg

*こうした“キッチュ”なノベルティの魅力の中にこそ「陶都再生への可能性や糧」を見出せる…、当会はそう確信しています。




| 記事 | 12:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

当会の収集品をご紹介

4月12日
☆当会の事務局長は『にわか学会』の企画委員でもあり、近年、“にわかの本”を共著で出版する予定です。その出版に因み、岐阜県美濃市に伝わる国選択無形民俗文化財「美濃流し仁輪加(にわか)」のビデオドキュメント取材のためノ当「ベルティ倶楽部」を閉めており、暫くブログの更新が滞っておりました。お詫びします。さて、当会の収集品をご紹介します。まず、“透かし”のティーカップです。 

IMGP7003ws.jpg
*↑さきごろ工場を解体したM製陶から頂いた製品です。↓
IMGP7004ew.jpg
IMGP7009ds.jpg
IMGP7010sc.jpg

IMGP7011ds.jpg
IMGP7014e.jpg

IMGP7005ew.jpg
IMGP7007r.jpg

*次は箱入りの製品です。“マンスリー(月別)”のベルで、次のように箱に入れられ輸出されていました。↓
IMGP7029d.jpg
IMGP7028ds.jpg
*天使の羽などが割れないよう丁寧に箱が工夫されてその中に梱包されています。↓
IMGP7031ds.jpg
IMGP7033ew_201704121721219fa.jpg
IMGP7034ew.jpg
IMGP7035ds.jpg

IMGP7039sa.jpg
*↑「日光陶器」の製品です。「日光陶器」ももうありません。↓
IMGP7042ew.jpg
IMGP7043ds.jpg
IMGP7048ew.jpg
IMGP7047ew.jpg
IMGP7045ds.jpg

IMGP7018ew.jpg
*↑アイルランドにカトリック信仰を広めた聖パトリックを讃える「聖パトリックデー」( St Patrick's Day:セントパトリックス・デー)に因むベル式のオルゴール。緑色と三つ葉のクローバー(シャムロック:shamrock)がシンボルです。↓
IMGP5353ew.jpg
IMGP7021e.jpg
*「聖パトリックデー」は3月17日。1903年から正式に祝日となり、イギリスから独立後、祭礼日として盛んになっていったそうです。アメリカではニューヨークやボストンなど、アイルランド系移民の多い地域・都市で盛大に祝われています。アイルランドのシンボルカラーであるグリーンや聖パトリックスデーのシンボル・三つ葉のクローバーをデザインした衣装を身につけたり、様々な小物でこの日を緑一色に染め上げて祝う日であることから「緑の日」とも呼ばれ、特にシカゴでは川を緑色に染める風習があるそうです。↓
800px-Chicago_River_dyed_green,_focus_on_river[1]dssss
(↑「聖パトリックデー」のシカゴの川)
IMGP5351d.jpg
IMGP7019ew.jpg
IMGP7020ew.jpg
*これは、右側のネジを巻いて下に置くと、左側のピンが押されて音楽が止まるという心憎い仕掛けの製品です。
IMGP7022sa.jpg

*「聖パトリックデー」に因むノベルティは瀬戸でも沢山作られました。当会もこの「聖パトリックデー」に因む“メイド・イン・瀬戸”の製品を沢山収集しています。↓
IMGP7081d.jpg
IMGP7082ds_201704130401463f5.jpg
セントパトリックデーの製品1d
(↑小物入れ)

*また、「聖パトリックデー」に因む次のようなきわめて珍しい緑色のスヌーピーも瀬戸で作られていたのです。↓
s-l500[3]ds





| 記事 | 16:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

当会収集のノベルティを引き続きご紹介

4月5日
☆当会の活動拠点「瀬戸ノベルティ俱楽部」は、今週の土曜日(8日)と日曜日(9日)、取材調査のため臨時休館とさせて頂きます。あしからずご了承下さい。 



☆当会が収集しているノベルティを引き続きご紹介します。 


IMGP6370d.jpg
*↑愛煙家であった筆者にとって妙に懐かしく、捨て去りがたいのが「灰皿」です。とりわけ、ちょっとした仕掛けでタバコを吸った後の灰が目の前から消えるこうした金属と組み合わされた灰皿は愛煙家にとってバブルの頃の記憶とつながる郷愁があります。こうしたものを含め、瀬戸で作られ、輸出されていたノベルティの中で「灰皿」類は極めて大きなシェアを占めていたのです。↓
IMGP6386ew.jpg
IMGP6376ds.jpg
IMGP6378ds.jpg

IMGP6371ew.jpg

*↑しかも、この灰皿。“ルート66”のシール付きです。筆者は青春時代、ジョン・スタインベックにこよなく親しみました。「二十日鼠と人間」でスタインベックと出会い、「パール(真珠)」でその世界にのめりこみ、「エデンの東」の舞台となったアメリカ・カリフォルニア州サリーナスの黒々とした大地と夭折の俳優ジェームズ・ディーンに憧れ、「赤い子馬」で生あるものとのふれあいと哀切を知り、「チャーリーとの旅」でスタインベックのキャンピングカーに同乗してアメリカ全土を紙背の中で空想旅行を楽しみ、『怒りの葡萄』で小林多喜二の蟹工船を想い、ベトナム戦争の従軍記者となった「ノーベル賞作家・スタインベック」と決別しました。彼の作品の白眉であった『怒りの葡萄』はこの灰皿に印刷された“ルート66”を資本家と地主に追い立てられて東から西へ旅をした貧農一家の物語です。

IMGP6390ds_20170405130758e05.jpg

IMGP7000df.jpg
*↑同じ灰皿でも貴族趣味の灰皿。今月一杯で操業を終わり、来月から工場を解体する老舗オーナメント会社の製品です。↓
IMGP6998fd.jpg
IMGP6995fd.jpg

IMGP6891f.jpg
*くだもの型の貯金箱。今となってはとても貴重な「丸利商会の遺品」です。↓
IMGP6893fd.jpg
IMGP6892d.jpg
*↑やきものの表面に加えられた奥ゆかしい控えめな筆の痕跡が無機物にイノチを灯した…、そんな趣のノベルティです。↓
IMGP6890fd.jpg

IMGP6875d_20170405142957497.jpg
*↑季節はずれですが、きわめて手の込んだクリスマスオーナメント。丸利商会の子会社、「マルリ・アメリカ」の製品です。↓
IMGP6884ds.jpg
IMGP6879ds_201704051433130f9.jpg
*これはいわゆるやきものではなく、レジンと呼ばれる合成人造素材による製品です。
IMGP6885ds.jpg
IMGP6888ds.jpg
*これは5000体売られたシリアルナンバー入りの一つで、1999年の製品。「クリスマスのための背丈の高い注文品」と名づけられた製品です。
IMGP6877ds_20170405143841527.jpg

1ds_2017040515543591d.jpg
*↑とてもキュートな人形です。残念なことに、右手が欠落しています。丸利商会の製品です。↓
2ds_20170405155532b42.jpg
*普通、こうした傷のあるものは捨てられてしまうことが多いのですが、素敵なので捨ててしまうのは忍びなく、保存しています。
3ds_201704051559580ed.jpg
4ds_20170405160055474.jpg
5ds_20170405160140e04.jpg

IMGP6908ew.jpg
*↑「愉快な友」のノベルティです。人と犬の間で「言葉」が通じなくても、“楽しさ”という実感は通じるのでしょう。↓
IMGP6913ds_20170405160712719.jpg
IMGP6911ds.jpg
IMGP6910ew.jpg

IMGP6936f.jpg
*↑得も言われぬ“お人形さんのような”ノベルティ人形です。↓
IMGP6957fd.jpg
IMGP6973re.jpg
IMGP6959fd.jpg
IMGP6962ds.jpg
*もう一体。↓
IMGP6941fd_20170405205919f40.jpg
IMGP6942fd.jpg
*左腕が失われていました。当会には原型師のメンバーがいます。こうした場合、その原型師が失われた腕をつないでくれたり、補ったりしてくれることがあります。しかし、この製品の左腕がどのようなしぐさや向きになっていたかがわからないために修理ができず、当会はこのまま保存しています。
IMGP6947re.jpg
IMGP6951re.jpg
fdsdfre.jpg






| 記事 | 13:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

丸利商会のノベルティをご紹介します

4月4日
☆当会の活動拠点「瀬戸ノベルティ俱楽部」は、今週の土曜日(8日)と日曜日(9日)、調査のため臨時休館とさせて頂きます。あしからずご了承下さい。 



☆現在、当会はこれまで入手していた丸利商会のノベルティを整理中です。ご紹介します。 

IMGP6653ds.jpg
ああds
*↑当会はこの製品を頭部がひどく破損していた状態で入手しました。
IMGP6668f.jpg
*頭部はいくつかの部分に割れ、接着剤で接合されていました。
IMGP6671ds_20170404231433065.jpg
*1985年、「フランクリンミントの製品」として作られたようです。
IMGP6664ds.jpg
*原型師や営業担当者が大切に保存していたものだったのでしょう。しかし、この製品が実際に製造されたのか、また、どの程度量産され、どこに輸出されたのか全くわかりません。
IMGP6661fd.jpg

IMGP6765ds_20170404231029954.jpg
*↑レトロな蓄音機を聞く青年とレディのノベルティです。↓
IMGP6689fd.jpg
IMGP6702fd.jpg
*↑1975年の製品です。
1f
2fd
IMGP6704ds_20170404232019412.jpg

IMGP6781d.jpg
IMGP6783ds_20170404232336104.jpg
3fd

ああfd
*↑“キッチュ”なハンメル調ノベルティ人形です。↓
いいfd
ううfd

IMGP6813ds.jpg
vvvvvds
*↑、やはり輸出されていた製品でした。しかし、これらは丸利商会の製品ではなかったかもしれません。
IMGP6819fd.jpg

IMGP6826dss_20170404235303a6f.jpg
IMGP6830fd.jpg
*丸利商会が得意としたブロンズを用いたノベルティです。
IMGP6832ds.jpg
IMGP6834fd.jpg
IMGP6839fd.jpg












| 記事 | 23:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

瀬戸市発:「ノベルティ」と「集団就職の記録」を『日本遺産』に!

4月3日
☆桑田佳祐の軽快な歌に乗せてNHK朝の連続テレビ小説『ひょっこ』が今日から始まりました。

IMGP6571ds.jpg
*高度経済成長の頃、集団就職で東京へ働きに出る少女・谷田部みね子がヒロイン。ヒロインが住むのは茨城県北部の山懐のある農村。
IMGP6525ds.jpg
IMGP6609ds.jpg
(↑電気炊飯器に驚きと喜びの表情を見せるヒロインとその母:いずれも4月3日放送のNHKテレビ画面から)

ノベルティ会社・丸利商会への入社風景s
(↑九州からの若者たちが集団就職により瀬戸市のノベルティ会社へ入社する時の風景・昭和30年代=当会の入手資料)

☆やきものの町・瀬戸市にはたくさんの若者たちが集団就職により働きにきていました。千余年のやきものの歴史を持つ瀬戸市にかつてない繁栄をもたらしたのは戦後の輸出産業で、その輸出産業を支えたのがこの集団就職でした。 

IMGP4324d.jpg
(↑旧瀬戸市市民会館での歓迎式・昭和40年代初め=当会の入手資料)
IMGP4315ds.jpg
(↑旧瀬戸市市民会館:右側の四角の建物内のホールで集団就職で瀬戸へ来た若者たちの歓迎式が行われました↓)
IMGP4327ds.jpg
IMGP4325fd.jpg

※この4月、博多の出版社「弦書房」から“集団就職”をテーマにしたノンフィクションが出版されます。当会もこの書に当会が独自に掘り起こした写真を提供しています。この近刊について同社のホームページを引用してご紹介させて頂きます。↓ 

『集団就職高度経済成長を支えた金の卵たち』
(※弦書房 今年4月刊行予定)

四六判/264頁/並製
978-4-86329-151-5
定価 2000円 (+税)
2017年4月発行

彼ら彼女たちの存在がなければ、戦後復興はなかった――昭和30年前後から昭和50年代前半にかけて、〈集団就職〉という社会現象が存在した。中学卒の少年少女たちがまさに出征兵士のごとく、東北から関東方面へ、九州・四国・沖縄から京阪神・中京方面へ、企業側の求人に応じて就職していった。彼ら彼女らの存在がなければ戦後復興も経済成長もなかった。本書では、〈集団就職〉の実態を、主に西日本域出身者たちへの聞き書きにより明らかにし、現代史の中で正当に評価しようと試みた。さらに、働くことの本質を集団就職体験者たちの言葉から問い直した力作。

著者:澤宮 優 (さわみや・ゆう)
1964(昭和39)年、熊本県生まれ。ノンフィクション作家。青山学院大学史学科卒、早稲田大学日本文学専修卒。『巨人軍最強の捕手』(晶文社)で第14回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。昭和の庶民史をテーマに幅広く執筆。主な著作に『昭和の仕事』(弦書房)『イラストで見る昭和の消えた仕事図鑑』(原書房)『廃墟となった戦国名城』(河出書房新社)『「考古学エレジー」の唄が聞こえる――発掘にかけた青春哀歌』(東海教育研究所)『ひとを見抜く――伝説のスカウト河西俊雄の生涯』(河出書房新社)ほか多数。
※お問い合わせ :弦書房 〒810-0041 福岡市中央区大名2-2-43-301 TEL 092-726-9885  FAX 092-726-9886

☆以下、瀬戸市での集団就職について当ブログ3月19日掲載記事を再掲載してご紹介します。

DSCF0036ds.jpg
*工場が消えてスーパーに変わった大手総合陶磁器メーカー「三郷陶器」には“社内報”が発行されていました。当会はその社内報『THE SANGO』を収集しています。昭和35年の号には集団就職した若者たち(寮生)の姿が写されています。
DSCF0039f.jpg
*この号によれば、この春に同社に入社した新入社員は全部で160人。大卒4名、高卒7名、中学卒は149名でした。
昭和36年2月号ーdd
(↑当時の入社試験風景:鹿児島県で行われました↓)
しけんds
入社式1d
(↑当時の入社風景↓)
入社式2fe
*昭和30年代、三郷陶器の場合のように、瀬戸ノベルティメーカーへの入社社員の大半が集団就職による中学卒業生でした。
い (1)v
い (2)ds
4f
姉5fd

*集団就職による旅立ちの風景は地元鹿児島県の新聞にも掲載されていました。↓
えきe
(↑旅立つふるさとの駅の光景:瀬戸に集団就職し、今も瀬戸市で暮らす人から当会への寄贈写真↓)
IMGP6548d.jpg
IMGP6552ds.jpg
IMGP6534f.jpg
IMGP6535d.jpg

絵付け場でd
(↑絵付け場で制服姿のまま仕事をする着任間もない頃の若者の写真=当会の入手写真)
若さ溢れるひととds

*寮生(集団就職して就職した若者たち)による社内座談会も社内報に掲載されました。こうした社内報は寮生の地元の職安や郷里の家族へも送られました。↓
座談会0d
座談会2d

※町の埋もれてしまった瀬戸ノベルティをめぐる物語の掘り起し。地道な物語の再生が一番大切ではないか、そう当会は思っています。これらの写真は“陶都崩壊”が著しく進んでいた0年ほど前から当会が独自にこつこつと収拾してきた資料なのです。集団就職に関連する写真や資料をまとめて収集しているところは当会以外にほとんどありません。

IMGP2520fd.jpg
*↑「娘道中」です。当時、若い娘たちは瀬戸市役所から瀬戸公園(現在の陶祖公園)までこんないでたちで練り歩いたのだそうです。
結婚式ds
*↑集団就職した人の結婚式。寮生同士が結ばれることも少なくありませんでした。
IMGP6565fw.jpg
*↑深川神社での成人式の様子(鹿児島県出身の女性たち)

つねおショー (1)ds
*↑大手のノベルティメーカーは社員の福利厚生のために流行歌手を呼んで歌謡ショーを開きました。寮生のアルバムの中には当時の歌謡ショーの様子を写した写真がたくさん埋もれています。次はその一例で、「藤島恒夫ショー」の写真です。↓
つねおショー7 (2)sa
つねおショー7 (1)a
21120041d.jpg
IMGP7749ds.jpg
*↑寮生たちのアルバムに埋もれているスターたちの写真。スターへの憧れが寮生たちの日々の心を支えていました。

いこいsa
ぎたーw
*瀬戸市を含め、集団就職の人たちの青春は今も埋もれ続けています。瀬戸市の戦後は「集団就職の大きな恩恵」を受けてもたらされていました。しかし、こうした集団就職の記録と記憶の掘り起しは当会以外に瀬戸市の窯業界も瀬戸市行政も全く行っていません。今となってみれば非常に貴重な「昭和史発掘」になっていると自負しています。

※また当会は、この“集団就職”を文化庁所管の「日本遺産」として認定されるよう瀬戸市行政に精力的に提唱しています。以下のように、3月1日の当ブログにもその提案主旨を掲載しています。

IMGP9349sa.jpg
(↑寮生・集団就職した女性たち↓)
IMGP9350ds.jpg

*東京・大阪に並んで名古屋圏は紡績や輸出陶磁器業界を中心に“集団就職”が非常に盛んな土地柄でした。そして、当瀬戸市の輸出陶磁器業界への集団就職の記録の発掘を最も精力的に行っているのが当会であると自負しています。

IMGP4722ds.jpg
(↑瀬戸ノベルティ最大手メーカーだった丸利商会から当会が収拾した写真:集団就職生の入社風景)
ノベルティ会社・丸利商会での絵付け作業ー1d
ノベルティ会社・丸利商会での絵付け作業ー2s
aaafd_2017040319510068b.jpg
IMGP3546ds.jpg
IMGP3737ds.jpg
(↑出身地の郷土芸能を余興に披露する丸利商会のクリスマスパーティー:当会収集のアルバムから)
IMGP4723ds.jpg

*当会は、「瀬戸ノベルティと集団就職」を瀬戸市から『日本遺産』に申請登録することをすでに瀬戸市行政に提案しています。以下のような主旨と内容です。

★『日本遺産』登録認定申請への市民提案 (瀬戸ノベルティ文化保存研究会)
*瀬戸市の市民活動団体である「瀬戸ノベルティ文化保存研究会」は、瀬戸市に対し、文化庁所管事業「日本遺産」の登録認定を受けられるよう、下記の案を具体的事例として提案します。
①『瀬戸へ行かんでどこへ行く
~昭和ニッポン“集団就職よ、ありがとう”インテリジェンス都市~』
②『世界の海を渡った“愛と祈りの造形”瀬戸ノベルティ
 ~やきものの華にして最も無名な日本最大級の“輸出せともの”~』
   
≪日本遺産≫
*「日本遺産」は文化庁所管新事業。地域の歴史や文化を国内外にアピールし、地域の活性化につなげる工夫と取り組みを2014年度から開始。次回の東京オリンピックが開催される2020年度までに順次100件を認定していくとのこと。残された枠の中で、どの自治体も今、地域興しの起爆剤としてこの「日本遺産」の登録獲得とそのための情報収集にしのぎを削っている。
*「日本遺産」の認定ポイント
・地域の有形無形の多様な資源や文化が知恵深く組み合わせられているか。
・ストーリー性があるか。
・コンセプトを的確に要約し、また体現した魅力的ネーミングであるか。
・地域振興の仕組みが用意されているか。地域振興のモデルになりうるか。

*当会からの提案理由とねらい
・現市長の公約の一つ「聞くこと第一主義」に応じる市民提案
・瀬戸市の知名度の飛躍的向上と発信力強化に向けた市民提案
・“官民協働の町づくり”へのインパクトある試みの模索

IMGP1740f.jpg
(↑瀬戸市のあるやきもの職人が東京オリンピック開会式のテレビ放送画面を写した写真・昭和39年:当会収集写真)

①『瀬戸へ行かんでどこへ行く
~昭和ニッポン“集団就職よ、ありがとう”インテリジェンス都市~』 
DSCF0044ds.jpg
(↑瀬戸地区にあった大手輸出向け陶磁器メーカーへ中卒・15歳で就職した若者たちの記念写真)
 
[ほとんど検証されていない昭和日本の一大現象“集団就職”]
・戦後日本に復興と高度成長をもたらした要因のひとつが“集団就職”で、ものづくり王国・愛知県」の高度成長もこの集団就職なくして到底実現できなかった。やきもの製造を基幹産業とする陶都・瀬戸市は集団就職を積極的に採用した典型的な町である。
・地方から東京・大阪・名古屋という大都市圏へ集団移住を促した集団就職は「戦後ニッポン」という時代の枠組みでみれば、きわめて特異な一大現象であった。しかし、この集団就職について全国的にもほとんど満足な検証や調査がなされていない。
IMGP2488ds.jpg
(↑最盛期の陶都・瀬戸市、昭和38年:当会収集写真)
 
[やきものの町・瀬戸市への“集団就職”]
・当会が瀬戸市への集団就職について調査を始めたのは2005年の愛知万博の年、瀬戸の最大手輸出洋食器メーカーであったM社に鹿児島県から集団就職し、後に郷里に帰った女性たち30人ほどが万博見学を兼ねて瀬戸市を再訪した折のことだった。当時すでにM社の工場や寮のすべてが解体され、彼女らが青春を過ごした思い出は記憶の中にしか残されていなかった。瀬戸市の戦後が集団就職により支えられ、この集団就職なくして瀬戸の高度成長もなかったことを痛感したのはその折のことであった。

ads_20170301135246beb.jpg
(↑瀬戸の洋食器工場・トンネル窯の解体風景:当会撮影)

・当会は瀬戸への集団就職出身地として最も多かった鹿児島県に赴き、鹿児島県から瀬戸市や愛知県内へ集団就職した人たちや鹿児島県庁、地元の新聞社などを取材した。そこで入手した刊行物や当時の記事、旧国鉄職員や県職安の職員等への取材により瀬戸市や名古屋市への集団就職の実態を知ることができた。
・当時、ノベルティや洋食器を中心とする瀬戸の輸出向けやきもの生産は繁忙をきわめていた。「愛知県職業安定年報」昭和35年12月月報によると愛知県の就職充当率は0、7で、全国一の求人難であった。そこで瀬戸市など県下の製造業界はこぞって安定的に供給を仰ぐことのできる安価な労働力を求めた。そうした要請に応えたのが集団就職であった。

いds
(↑鹿児島県を夜行SL列車で旅立つ集団就職生:当会収集写真)

・瀬戸市への初めての集団就職は昭和31年4月1日のことである。3月30日朝8時36分西鹿児島駅始発の10両編成SL「あけぼの号」が集団就職列車の第一号であった。10両編成のうち4両に修学旅行生が乗り、残り6両に中学校新卒集団就職生が乗った。熊本県などからの途中乗車組も含め男女合わせて601名が翌3月31日に名古屋駅に降り立った。そのほとんどが愛知県内への就職で、瀬戸市へも30人がこの列車でやって来た。瀬戸の電磁器製造会社Y社と K美容院へ就職したのである。
・「愛知県職業安定年報」等によると、昭和39年3月に愛知県内に就職した新規中学卒業生は約5万8千人で、その中、3万8千人が県外からの出身者。昭和34年から昭和49年までの15年間に鹿児島県等の県外から瀬戸職安管内へ就職した中学校卒業生は約1万人にのぼった。
・鹿児島県職安関係者か当会に提供された情報によると、鹿児島県からの集団就職専用列車は東京オリンピックが開催された昭和39年の18便を頂点に、昭和49年の最終便まで246便、15万人近い若者たちを大阪や名古屋圏へ運んだ。瀬戸の最盛期はこうした鹿児島、宮崎、熊本など南九州出身者を中心にした若年労働力による集団就職によって支えられていたのである。

IMGP3279ds.jpg
(↑ノベルティの絵付け作業:当会収集写真)
ffffd_20170403195806bc7.jpg
(↑ノベルティのレース人形メーカーで同郷の九州出身の先輩から教わる新入社員=昭和30年代)

[集団就職者の瀬戸市への貢献、その研究と顕彰の長き“不在”]
・15歳で瀬戸市に働きに来た集団就職の若者たちを瀬戸市は業界関係者とともに旧市民会館に招き、盛大に歓迎会を催した。しかし、円高等により繁栄の時代が過ぎ去ると、業界も行政もまた市民も集団就職のことは忘却していった。
・“団塊の世代”と重なる集団就職世代は、高度成長時代には“金の卵”とよばれる“光の中の群像”であった。しかし、今では、医療・介護・福祉・年金という社会保障面で次世代を重く圧迫する「お荷物世代」「負の世代」ともなっている。そうした一方で、集団就職体験者ならではの役割や出番が期待され、この群像ならではの地域社会での居場所や役割の掘り起しが多様に行われることも必要であはないかと当会は考える。

DSCF0024sa.jpg
(↑寮生の慰安旅行時のスナップ写真)

[集団就職は“生涯現役の町づくり”につながる陶都の魅力的無形資源]
・瀬戸市に於ける集団就職は陶都・瀬戸に特有の特徴を刻んできた。瀬戸市での集団就職体験者は高度で、かつ多様な窯業生産技術を身につけた人たちが多いのである。当会は集団就職体験者を陶都の魅力を体現する“選ばれた人達”と位置付け、集団就職体験者の持てる技能や感性がいま一度多様な形で瀬戸の町づくりに無理なく発揮されるような“場”の創出を期待したい。
・それは、陶都の繁栄に貢献してきた集団就職体験者に「この町には今も自分が誇り高く輝くことのできる居場所があるのだ」という実感を抱いて頂けることこそ、瀬戸市が“長寿時代の地域性豊かな町づくり”の一つの実践と言えるのではないかと考えるからである。
・具体的には、集団就職体験者に様々な作陶ジャンルでの実演披露に参加してもらったり、お客様に白生地への絵付け体験や多様な作陶ワークショップを楽しんでもらうような折の技術指導への参加を募りたい。また、市広報誌などを活用して市中に埋もれている集団就職についての手記や写真、思い出の品々等を募り、その記録集を発刊したり、写真展や作品展などを開催して集団就職を顕彰する機会としたい。さらに、集団就職者の出身地の物産展や郷土芸能祭等も試みて交流したらどうであろうか。

IMGP6536ds.jpg
(↑寮生の憩いのひととき↓)
IMGP2530gd.jpg

[“集団就職の顕彰”を瀬戸の町から全国へ]
・戦後日本の繁栄は“集団就職”なくしてはありえなかったが、集団就職体験者の高齢化が進み、多くが後期高齢者世代に至っており、集団就職に関する記憶や資料の掘り起しは時間との闘いともなっている。
・“過疎と集中”という人口の両極化が進む現代日本にあって、日本人の「ふるさと像」も大きな揺らぎの中にある。長寿時代の到来を迎え、少子高齢化が著しく進む現代社会にあって、私たちは、生地主義に立つ旧来の「ふるさと像」からどう脱皮し、どのように新しい「ふるさと像」を育んでいくことができるのであろうか。それは、ある意味で現代の地域社会に於ける町づくりの鍵であるとも言える。当会は、そのための一つの試みとして、「20世紀昭和」の顕著な「集団就職」をこの瀬戸市から検証(顕彰)し、その成果を町づくりに活かす先駆的都市として名乗りを挙げることを瀬戸市に期待する。そのことの一つの指標として当会は、瀬戸市が「日本遺産」への登録を申請したらどうかという提案をここに行いたい。
・当会は、これまでほとんど振り返られることのなかった集団就職を瀬戸市の知名度を上げるための一つのユニークな契機、また、賑わいの創出や“生涯現役の町づくり”につながる得難い魅力的人的資源基盤として改めて位置づけたい。そうして、集団就職を未開拓の町興し資源とし、また陶都の誇りの再生に資する貴重な個性的な町づくりに活かしていく取り組みを瀬戸市に具体的に提案するものである。

[瀬戸市を集団就職研究とその顕彰の拠点都市に育てよう]
・集団就職は瀬戸市のみならず、名古屋市や一宮市、蒲郡市や知多市や常滑市など愛知県諸都市が採用してきた行政的労働力集積システムでもあった。瀬戸市は、そうした諸都市と連動し、あるいは集団就職者を輩出してきた町、例えば鹿児島県の自治体などと共同して広域的に、また重層的にその顕彰を実践する方途も模索する必要性があるかもしれない。

2015年5月芸横 (2)sa
(↑瀬戸市の観光行政のかつてのキャッチフレーズ。背景の陶磁器工場も5月から解体されます。)

②『世界の海を渡った“愛と祈りの造形”瀬戸ノベルティ
~やきものの華にして最も無名な日本最大級の“輸出せともの”~』
*ノベルティ(陶磁製の置き物・飾り物)は、瀬戸をふるさととして生まれ、陶都千余年の歴史の中で集積されてきた窯業技術を駆使して戦後の瀬戸に最大の繁栄をもたらした“やきものの華”である。しかし、そのノベルティは世界の隅々へ送り届けられていった一方で、日本国内ではほとんど知られてはいない。
*ノベルティの歴史は100年余とまだ浅い。それは第一次世界大戦を契機として瀬戸の町に芽生え、根づき、太平洋戦争期の空白期を挟んで、敗戦による占領期に於ける制限付き貿易の時代を経て見事に復活し、戦後瀬戸の最大の生産物となってきた。瀬戸市はノベルティが生まれたふるさと、日本最大のノベルティ生産地であった。それは、ノベルティ生産に最適の世界一とも称される粘土と、倦むことなく物づくりに打ち込む職人気質に恵まれ、当会の調査によれば世界の80余か国へ輸出され、当会の所見によれば、輸出やきものとしては日本最大級のやきものであったと言える。瀬戸で生まれたノベルティは、名古屋、常滑、四日市、そして美濃焼地方が形成する「伊勢湾岸窯業圏」を特徴づける一大特産物に成長した。

IMGP5022fdvv.jpg
(↑日本郵船の輸送船:当会収集写真)
CIMG7806fdv.jpg
(↑名古屋港からの積み込み風景:当会収集写真↓)
IMGP4337ds.jpg
ssssd_201704032006172a6.jpg

*瀬戸で作られ、世界中へ輸出されてきたノベルティは、各国の暮らや文化、人々の心の中に深く溶け込み、生活を豊かに彩ってきた。俳優や歌手などの有名スター、歴史上の人物、糸巻きや針山、剃刀の捨て刃容器、メモスタンド、歯ブラシ立てや小物入れ、プランターや貯金箱、また口紅入れや香水スプレーなどの美装品、子どもや家族などのフィギュリン(人物像)、変わりポットやマグカップ、塩・胡椒入れなどの台所用品など用と美を兼ねたものからキリスト教信仰にまつわる様々な聖者や天使や儀式用品、ディズニーやコミックキャラクター、各地の名物や土産品、オルゴールや灯りランプ…など、ノベルティのアイテムは数えきれないほど、何千種類にも及ぶ。
*「せともの」という全国に通用するやきものの代名詞として栄えある称号を戴きながら今沈潜著しい陶都・瀬戸市。その窯業界に於いて、ノベルティは“これこそ・せともの”と言えるアイテムであった。しかし、戦後瀬戸の高度成長を担ったノベルティも円高による急激な衰退の一途をたどってきた。そうした中で、瀬戸市行政も窯業界もことごとく“瀬戸のアイデンティティ”とも言えるこのノベルティを過小評価し、当会の活動が始まるまで、ノベルティは忘却の中に置き去りにされたままの“幻のせともの”となってきた。

fds
(↑ノベルティの絵付け作業 : 鹿児島県などから集団就職で瀬戸へ働きに来た女性たち=ノベルティ会社で。↓)
DSCF0017ds.jpg

※私たちは、「ノベルティこそ瀬戸固有のやきものである」として2009年に「瀬戸ノベルティ文化保存研究会」を設立。2011年にマチナカの活動拠点「瀬戸ノベルティ俱楽部」を設立、ノベルティを再評価し、文化的創造的に継承することを願う地道な活動を続けてきた。瀬戸ノベルティの特徴を物語る製品の収拾だけでなく、瀬戸ノベルティの歴史や製造実態を物語る資料や写真の掘り起こしや収集を精力的に続けてきた。そして、ノベルティ会社の解体現場を訪ね、振り返られることなく厚いホコリに埋もれる倉庫の奥深く分け入りながら、ノベルティを陶都窯業再生の糧とし、陶都の誇りの復活につなげたいと願う活動を続けてきた。
*やきものの中で瀬戸のノベルティほど個性的で比類のない多様性を持つやきものは日本に於いて他にない。瀬戸のノベルティが造型してきたものは「素晴らしい地球のいのち」、「人間の心の宇宙」、そして「愛と平和と共生への祈り」である。それは、古くて新しく、洋の東西を超える普遍的な人間と地球というテーマである。それゆえ瀬戸のノベルティは、最盛期を経て衰退の極みを迎えている今なおアメリカを中心とした輸出先で愛され続けていることが海外の研究者との交流の中からわかってきた。であれば、瀬戸ノベルティの中には陶都窯業の再生のみならず創造的継承の可能性につながる不朽のいのちを宿していると言える。
*さきごろ、瀬戸ノベルティの最高峰と評されるレース人形『アン王女』が皇族に献上された。瀬戸ノベルティへの最高の評価が下され、その名誉が回復された。それは、「文化としてのやきものの時代」の到来を確かに告げる一大慶事である。

IMGP6904ew.jpg
(↑皇族へ献上されたレース人形の最高峰『アン王女』)

人々が今、やきものに求めるものはこころの癒し、そして暮らしの潤いにつながる“文化”であろう。円高による衰退を機に瀬戸のノベルティにのしかかっていた“冬の時代”が去り、ノベルティが今また、比類ない光彩を取り戻して輝く再生の曙光を迎えている。
*ノベルティは、多様な人間文化が多様なカタチやイロドリとなって造形された知恵と技と感性の結晶体である。当会は、瀬戸をふるさとして際立った一大産業となり、世界の人々にこころと文化を送り届けてきたノベルティにこそ瀬戸のアイデンティティがあり、陶都再生の鍵があると考えている。しかし、そのノベルティの真の再生は、経済的なストレスによっても摩耗しない、高く個性的なデザイン性や製品の普遍的なコンセプトという課題の克服によってこそ実現するものであろう。
*日本各地のやきもの産業は今、著しい衰退の淵に沈んでいるかのようである。そうした中で、瀬戸のノベルティほど地域性豊かで、かつグローバルなやきものは日本では他に例をみない。世界中の人々にこころとやすらぎ、豊かなうるおいを送り届けてきたノベルティこそ、今の瀬戸で、また今の日本で、あらためてその価値と魅力と可能性とが見出されるべき目覚めの時を迎えており、ノベルティこそ窯業地の再生と振興のモデルになりうると当会は考える。

IMGP4610ew.jpg
(瀬戸ノベルティメーカーの最大手・丸利商会の最盛期の社員食堂:当会収集写真)

IMGP3404re.jpg

IMGP6531fd.jpg
IMGP6532f.jpg
(↑鹿児島県から集団就職し、今も瀬戸市に住む女性から当会に提供された写真↓)
DSCF0128fd.jpg
DSCF0127fd.jpg

◆なお、当ブログでの掲載写真は無断使用を堅くお断りします。
◆この記事について、また当会の活動についてのお問い合わせは下記へお願いします。
 〒489-0814 瀬戸市末広町 3-16 「瀬戸ノベルティ文化保存研究会」 (瀬戸ノベルティ倶楽部)
 <メール> setonovelty_club@yahoo.co.jp
 <携帯電話:> 090-6339-0791

IMGP2514ds.jpg
IMGP2512ds_2017040309532206f.jpg

| 記事 | 08:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

陶都・瀬戸が最も輝いた秘密はノベルティにあり。

4月2日
☆私事になりますが、当会事務局長がその著『さくら道』で紹介した荘川桜の移植の物語。高度経済成長を支えた電源開発・御母衣(みぼろ)ダム建設で消えた集落の巨木が世紀の移植工事により水没から救われました。それが「荘川桜」で、その実生の樹が瀬戸市で花を咲かせました。瀬戸にも桜の季節が到来しています。↓ 

IMGP6391re.jpg
IMGP6393ew.jpg
*太平洋と日本海を結んでいた旧国鉄バス長距離路線「名金線(めいきんせん)」車掌の佐藤良二さん(故人)。その実姉・てるさん(故人)が白鳥町の自宅の庭で育て、当会事務局長に下さった樹です。
IMGP6398ds.jpg
IMGP6396sa.jpg
IMGP6479ds_201704022231555aa.jpg
(↑当会事務局長著『さくら道』:名古屋・風媒社刊)
DSCF003f2.jpg
(↑左:旧国鉄バス車掌・佐藤良二さん、右:同僚で桜を一緒に植えた運転手の佐藤高三さん)
IMGP6400ds_201704021726133a5.jpg
*「荘川桜の物語」は今、発売中の人気雑誌『サライ』4月号にも紹介されています。↓
IMGP6482re.jpg
(↑「サライ」4月号)
*「荘川桜」、御母衣(みぼろ)の桜は例年、ゴールデンウィークの頃、桜前線が津軽海峡を越えて北海道に到達する頃に満開となります。今年はどうでしょうか?


☆当会に寄贈されたノベルティをご紹介します。製品や企業の広告として作られた瀬戸ノベルティです。

IMGP6407ds.jpg

IMGP6409ds.jpg
*↑“ESSO OIL DROP BOY”と呼ばれるノベルティの貯金箱。瀬戸のメーカーが作り、アメリカに輸出されていました。↓
IMGP6414d.jpg
IMGP6412ds.jpg

IMGP6415ds.jpg
*↑“Michelin Man (ミシュラン・マン)”これも瀬戸のメーカー製。
IMGP6419fd.jpg
IMGP6417fd.jpg

IMGP6436fd.jpg
*この製品はSP(塩コショー)入れ。“Dairy Queen(DQ)”というアメリカ大手のアイスクリームやホットドッグ、またレストランチェーンのマスコットキャラクターです。
IMGP6422fd.jpg
IMGP6425fd.jpg
*↑左:穴二つの製品は塩入れ、右:穴三つの製品は塩より粒子の小さいコショウ入れ。
IMGP6428fd.jpg
みぎfdd
dddffff


☆陶都・瀬戸がその千余年の歴史の中で最も輝いたのは第二次世界大戦後、円高で急速に衰退するまでの約30年間のことでした。それは輸出産業がもたらした繁栄によるもので、その繁栄はノベルティ、洋食器、そして、オーナメントを3つの柱としていました。とりわけ、ノベルティが陶磁器を核とし、その生産に必要な関連産業が市の内外に広い裾野を形成していたことが「陶都の最大繁栄をもたらした最大要因」である、と当会は分析しています。

IMGP6202ds_201704020050233b5.jpg
*↑昭和30年代に作られたキッチュなノベルティ。暗い倉庫の奥の木箱の中にホコリに埋もれているのを当会が見つけました。↓
IMGP6134d_20170402010146ddf.jpg
IMGP6138re.jpg
*↑鎖につないだ犬。↓
IMGP6139fd.jpg
IMGP6141ds.jpg
*当時、こうしたペットを鎖につないだノベルティが人気だったようで、瀬戸でも沢山作られていました。
IMGP6208f.jpg
IMGP6211fd.jpg
IMGP6223fd.jpg
IMGP6215gf.jpg

IMGP6122ds.jpg
IMGP6132fd.jpg
IMGP6124fd.jpg
*↑やきもので作られた頭部の中にコイル線のバネが挿しこまれ、頭部がゆらゆらと揺れるノベルティです。

IMGP6170f.jpg
IMGP6169fd.jpg
*↑動物型の貯金箱です。↓
IMGP6173ds.jpg
*↑これらには鼻の上、首元、羽などの部位にフェルトを裁断した布が貼られています。
IMGP6178ds.jpg
IMGP6175ds_201704020134372cb.jpg

IMGP6181ds_2017040201374828f.jpg
IMGP6196ds_201704020139164dd.jpg
*↑針金を細工して作った小さな眼鏡をかけている人形があります。↓
IMGP6197ds.jpg

※これらの製品にはやきものと異なるさまざまな材質の部品が取り付けられています。そうした部品はほとんどが外注で納入され、内職などの下請け仕事によって取り付けられました。また、生産労働力として「集団就職」が組織的に導入されました。そのように、ノベルティ生産は外注や内職などの広い裾野によって支えられていたのです。瀬戸市は陶芸の町でもあります。しかし、一般にいう陶芸は個人作業でなされる個々の仕事であり、ノベルティのような広い裾野を持っていません。瀬戸ノベルティが膨大の種類と量の製品を生産し、それを市外や市中の津々浦々にまで広い裾野を拡げて生産基盤を形成していたゆえに、瀬戸ノベルティは世界80余か国もの国々への輸出が可能だったのです。そうした陶都の最大繁栄を正と負の両面にわたって冷静に回顧分析することもなく、関連する製品や資料、記録などの大切さを見失い、陶都の最大繁栄をもたらしてきた諸要因の中から『陶都の窯業再生と誇りの再生につながる糧』を見出す文化的な営為を瀬戸市民や瀬戸の窯業界、瀬戸市行政がこぞって充分にしてこなかったことが当会の言う円高以後の『瀬戸の失われた30年』となって今日に見るような「陶都の衰亡」を招き寄せてきたと思うのです。

IMGP6198vc.jpg




| 記事 | 01:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

映画『美女と野獣』4月21日公開

4月1日
☆映画『美女と野獣』が4月21日に公開されます。このノベルティも瀬戸のメーカーで作られていました。


IMGP5824fd.jpg
IMGP5826ds.jpg
IMGP5829d.jpg

IMGP5832ds.jpg
IMGP5839ds.jpg
IMGP5835d.jpg

*このノベルティ製品のメーカーはすでに本社工場の全てを解体し、今はもうありません。
IMGP4674ds.jpg
CIMG0014dd.jpg

IMGP6644ds.jpg


| 記事 | 08:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |