アーカイブ :2013年09月 瀬戸ノベルティ文化保存研究会・瀬戸ノベルティ倶楽部

瀬戸ノベルティ文化保存研究会・瀬戸ノベルティ倶楽部

“これこそ、せともの”セトノベルティの魅力を紹介し、その技術継承に努める市民活動団体です。

瀬戸ノベルティ文化保存研究会 We are the Seto Novelty Culture Preservation Society, a citizens’organization in Seto City, Aichi Prefecture 、Japan◆瀬戸ノベルティに“最高の評価”!レース人形の最高峰・TK名古屋人形製陶所製「アン王女」が皇室に献上!★瀬戸から「ノベルティ」と「昭和の青春切符~集団就職の記録~」を『日本遺産』に!◆時を超えて香り立つ魅力・ノベルティこそ“瀬戸の華”!セト・ノベルティこそ「せともの」!【瀬戸ノベルティ倶楽部:The Seto Novelty Club〈office〉、Americans who love SETO NOVELTIES, your mail to us is deeply welcome. address :setonovelty_club@yahoo.jp】 写真などこのブログでの画像の無断使用は固くお断りします!

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ノベルティ職人

★「95歳で現役の原型師」・加藤静雄さん、馬のノベルティ(干支)原型造りの日々。(2012年) 
静夫0-1
*原型師・加藤静夫さん、満95歳。原型製作一筋の人生を生きてこられた今も現役の職人さんです。瀬戸市立窯業専修学校の夜学で学び、中国戦線に応召。旧ソ連の捕虜となってシベリアに抑留され生還。
静夫本-1
(↑加藤静夫さんは過酷なシベリア抑留体験を綴った本を自費出版しています)
加藤静夫さんは戦争で斃れた夥しい死を供養するためノベルティの観音様を製作して奉納してきました。その製品をかたわらに置いて毎日製作を続けているのです。
静夫1-1
静夫2-1
静夫4-1
*加藤静夫さんは、旧「光和陶器」で原型師を長く務め、後に初代「原型陶彫会」会長に。その後、今に至るまで、毎年、干支のノベルティの原型製作を続けています。加藤静夫さんは、その思いを次のように語っています。
「瀬戸は、役所でもどこでも、どこの窯場でもできるような茶碗だのドンブリだのをいつまでも有り難がっていますよね。でも、そういうことではだめだとわしは思うんですよ。この瀬戸の町には、ノベルティという瀬戸だけのやきものがあるんだから、こういう瀬戸だけのいいやきものを一生懸命作って売っていかないとこの町は生き残っていけない訳なんですよ」。
静夫5-1
*加藤静夫さんは、毎年、翌年の干支の原型を作るのが慣わしですが、今年はすでに来年の干支である巳(蛇)を作り終え、今、再来年の干支の午(馬)の原型を作る毎日です。なぜ静夫さんは、今、再来年の午(馬)の原型まで作っているのでしょうか。「95歳になって、手が震えてだめなんです。目も霞んで、よく見えなくなりました。映画監督の新藤兼人さんが百歳で亡くなりました。私はもうそう長くは生きられません。もう来年、自分は原型を作れないような気がするんです。後の人たちに、こんなノベルティを作っていた人もあるんだ、と参考にしてもらえるような作品を残しておくことができればと思ってねえ…、今、自分は、後の世に残す遺言のつもりで毎日、原形を作っているんです」。
静夫7-1
*「静夫さんの作品展をやらせてくれませんか?」との当会の懇請に加藤静雄さんは笑って応えます。「年をとれば、若い頃よりもいい作品ができると思っていたんです。でも、年をとれば、手は震えるし力がなくなるし、粘土の押さえも甘くなる、迫力に欠けるようなものしかできません。まだまだ満足のいく作品が一つもできません。わしの作品展をやってくれるというのは嬉しいが、そんな訳で、わしの作品展は私が死んでからお願いします…」。
*当会は、加藤静夫さんと2009年に出会い、それ以来、毎年、取材させて頂いてきました。その製作の様子と証言はデジカメ写真とハイビジョンカメラによる動画とにより、すでに数時間に亘って撮影をさせて頂いています。当会は、その記録の一部を当会が今年度製作予定の『瀬戸ノベルティの映像記録』の中で紹介させて頂くことになっています。

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ノベルティの本

☆23日、当会、瀬戸市外のノベルティメーカーとしては最大級だったQ社を訪問取材!今、電磁調理器業界ではトップを走るQ社の社長は語った。「ノベルティはわが社の原点です。単なる郷愁ではなく、ノベルティがあったからこそ今のわが社があるんです。できれば、保存してあるノベルティの記念館を自前で作りたいんですよ。それが夢です…」。
ノベルティの最大産地であった瀬戸では、そのノベルティを“封印”し、廃棄し続けてきたというのに、である。恥ずかしさでいたたまれない思いに胸が塞がれたのです。

ショールーム1ロング-1(↑↓Q社のショールーム)
製品フル2-1
*Q社では、会社の顔とも言うべき応接室兼商談室に、同社が製造したノベルティが美しく展示されていました。そこにQ社が自社の歩みを顕彰する企業の高い誇りと企業哲学を見る思いがしました。
顔3-1
(↑↓Q社の保存ノベルティ)
製品鳥4-1
製品一対5-1
*Q社は、今、オキュパイド・ジャパン製品を含め、およそ8000点のノベルティを保存しており、製品の一つ一つを写真に撮り、製品に番号をふって戸籍を作り、DVDに記録しています。

☆そして、驚くべきことを知りました。この会社が輸出してきたノベルティのコレクションを記録した本がアメリカで作られていたのです。
1本・フル-1
(↑Q社のノベルティについてアメリカで自費出版されたコレクション本)
写真絵付け11
(↑ノベルティ製造時代のQ社の絵付け作業風景)
猫2-1
3男の子-1
4ピーナッツ-1
5女の子-1

★瀬戸ノベルティについての本の紹介です。
*当会の活動により、最近、瀬戸ノベルティについての関心とその再評価が急速に高まっています。そして、瀬戸ノベルティについての本があれば手に入れたい、とのお問い合わせが当会の活動拠点である「瀬戸ノベルティ倶楽部」に数多く寄せられています。そこで、お役に立つ本を3冊ご紹介します。

※まず、瀬戸ノベルティについての概略を知る最適な入門書と言える2冊の図録のご紹介です。

①一冊目は『セト・ノベルティ~世界へ夢を贈るやきもの~』。1997年、せとものフェスタ97実行委員会編集、大せともの祭協賛会発行。
図録2-1
*この図録は既に絶版になっているようですが、当会にお申し込み頂ければ一冊2500円で入手できます(送料込みの一冊の価格。2冊以上は送料着払い)。お申し込みは下記のように、できるだけメールで。メールでない場合は、電話でご注文下さい。
メール setonovelty_club@yahoo.co.jp  電話090-6339-0791  

②二冊目は『ノベルティ・デザイン~光和陶器・デザインの軌跡~』。
図録3-1
これは、ノベルティの老舗メーカーの一つだった光和陶器という会社がノベルティ生産を終わる時、愛知県陶磁資料館へ製品を寄贈、その企画展を開催した折に刊行された図録です。これは、今も愛知県陶磁資料館で入手できますので、愛知県陶磁資料館へお問い合わせ下さい。定価は900円とのことです。
愛知県陶磁資料館 〒489-0965 愛知県瀬戸市南山口町234 電話0561-84-7474

※次に3冊目『現代産業に生きる技~“型”と創造のダイナミズム~』。
十名本-1
*これは名古屋学院大学教授で当「瀬戸ノベルティ文化保存研究会」会員の十名直喜(とな・なおき)さんの著書。産業文化論・経済文化論の第一人者である著者の十名教授が、量産品に美という要素を付加して生活をより人間的でより豊かに彩るものづくりを提唱した世界的な文化運動「アーツ&クラフト」という視点を拠り所にし、近現代産業のキーワードである“型(モールド)の文化論”として瀬戸窯業と瀬戸ノベルティをフィールド実証的に考察した本格的な研究本です。
この本は、ノベルティの代表的メーカーの嚆矢である丸山陶器、鳥のノベルティで世界的に有名だった大東三進、また、特異なオーナメント製造会社であり、“フィールドミュージアムの実践的活動体”として一貫して変節しない窯屋開放活動の実践体「芸術家横丁」を生んだ愛知製陶所、さらに、ノベルティ生産基地として瀬戸に白羽の矢を立てた老舗ノリタケ(森村組)などを取り上げていますし、当会事務局長が撮影してきた写真も数多く収録されています。
『現代産業に生きる技~“型”と創造のダイナミズム~』 勁草書房 (03-3814-6861)(4000円+税)

☆当会は、ノベルティメーカー・S社の製品調査の折、一冊の資料を入手しました。今はすでにない銀行の広報冊子です。『東海銀行1957-1958 Annual Report』と題されたこの冊子には、ノベルティが最盛期の貴重な写真が掲載されていました。こうした資料は、これまで、ノベルティ会社が廃業したり、業務を縮小したりした時、ほとんど廃棄されてきました。また、こうした資料は、瀬戸の窯業文化行政を担う瀬戸市の学芸員すら、瀬戸市行政がノベルティそのものを過小評価する姿勢に連なるかのように、その資料的価値を積極的に自立的に掘り起こすことが十分でなかったため、散逸するままになってきました。
今回、当会が入手したこの冊子にはノベルティが最盛期に向かっていた昭和30年代初期、半世紀以上も前の貴重な写真が掲載されています。ここで、その一部をご紹介しましょう。
名古屋駅-1
(↑名古屋駅前の風景、右端はノベルティ製造に従事する集団就職の若者たちが降り立った名古屋駅)
名古屋港-1
(↑瀬戸ノベルティの輸出基地であった名古屋港)
洋食器工場-1
(↑ノベルティとともに戦後の瀬戸と名古屋に繁栄をもたらした洋食器。写真は、その洋食器の製造工場)

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