瀬戸ノベルティ文化保存研究会・瀬戸ノベルティ倶楽部

瀬戸ノベルティ文化保存研究会・瀬戸ノベルティ倶楽部

“これこそ、せともの”セトノベルティの魅力を紹介し、その技術継承に努める市民活動団体です。

瀬戸ノベルティ文化保存研究会 We are the Seto Novelty Culture Preservation Society, a citizens’organization in Seto City, Aichi Prefecture 、Japan◆瀬戸ノベルティに“最高の評価”!レース人形の最高峰・TK名古屋人形製陶所製「アン王女」が皇室に献上!★瀬戸から「ノベルティ」と「昭和の青春切符~集団就職の記録~」を『日本遺産』に!◆時を超えて香り立つ魅力・ノベルティこそ“瀬戸の華”!セト・ノベルティこそ「せともの」!【瀬戸ノベルティ倶楽部:The Seto Novelty Club〈office〉、Americans who love SETO NOVELTIES, your mail to us is deeply welcome. address :setonovelty_club@yahoo.jp】 写真などこのブログでの画像の無断使用は固くお断りします!

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現在、瀬戸ノベルティ倶楽部に展示中~1970年代から、日米の女性たちを魅了してきた『ホリー・ホビー(Holly Hobbie)ーいとおしきノスタルジーの世界ー』の世界

2024年4月20日(土)

☆1970年代から、日米の女性たちを魅了してきた『ホリー・ホビー(Holly Hobbie)ーいとおしきノスタルジーの世界ー』の世界を振り返ります。
 

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★キャラクター少女「ホリー・ホビー」(Holly Hobbie)。↑横向きで、顔全体を覆うような大きな<ボンネット帽子>、パッチワーク柄のスカートに後ろで紐を結ぶエプロン型ワンピース<ピナフォア・Pinafore・エプロンドレス>がトレードマーク。アメリカン・グリーティングス社が1970年代から80年代にかけてキャラクター化した。


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(↑当会収集の「ホリー・ホビー」の瀬戸ノベルティ↓)

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★「ホリー・ホビー」はやや遅れて日本にも上陸。ハンカチ、手芸用品、指ぬきや額装、壁掛け時計や貯金箱、マグカップやガラスコップ、飾り皿、下敷きや文房具、カレンダーなど、「学研」の雑貨をはじめとして、おびただしいアイテムで商品化され、日本の少女たちをも熱中させました。


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1990年丸利商会製
(↑丸利商会製の「ホリー・ホビー」:白生地と完成品<弦が紛失しています…>)

光和陶器製
(↑光和陶器製の「ホリー・ホビー」)

加藤工芸製
(↑加藤工芸製の「ホリー・ホビー」)

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(↑"Holly Hobbie"作者=Denise Holly Ulinskas<デニス・ホリー・ウリンスカス>。 「トゥートとパドル~ふたりのすてきな12か月~」より)

★↑「ホリー・ホビー」(Holly Hobbie)の作者、Denise Holly Ulinskas(デニス・ホリー・ウリンスカス) 。アメリカの女流児童文学作家・絵本作家・イラストレーター。彼女は、性格が正反対でも大の仲良しの2匹のブタを主人公にした"Toot and Puddle"(トゥートとパドル) という絵本シリーズの作者としてご存知の方が多いかもしれません。


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(↑代表的絵本「トゥートとパドル」シリーズの一冊)

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(↑「トゥートとパドル~きみがわらってくれるなら~」より)
 
★"Holly Hobbie"の作者Denise Holly Ulinskas<デニス・ホリー・ウリンスカス>の履歴は以下のとおりです。
チョウド0年前の1944年、アメリカ・コネチカット州生まれ。1964年にDouglas Hobbie(ダグラス・ホビー)と結婚。1960年代の後半、"猫が大好きで、みすぼらしい<rag>服を着、とても大きなボンネット帽子をかぶった小さな女の子という設定の個性的な絵を描き、その絵の魅力に目をとめた従兄(従弟?)の勧めで、その絵をオハイオ州クリーブランドにあるアメリカン・グリーティングス社(AMERICAN GREETINGS CORP.)へ持ち込み、販売してもらうことになりました。
★彼女の絵は好評を博し、大人気になりました。その絵画は自分の子どもの情景や仕草を主なモチーフとして描き、ニューイングランド地方の過ぎ去りし時代の、郷愁に満ち溢れた抒情性豊かな作風の絵画でした。まだ無名のアーティスト時代、人は彼女のことを "blue girl"(ブルーガール)と呼びました。やがて彼女は"Holly Hobbie"(ホリー・ホビー)として知られるようになりました。そして、彼女はアメリカン・グリーティングス社のユーモア・プランニング部門(Humorous Planning Department )で契約アーティストとして仕事をすることになりました。彼の上司で敏腕の編集ディレクターだったRex Connors(レックス・コナーズ)が、"ホリー・ホビー"の存在感や魅力を際立たせる人気画家に育てあげたのです。

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★あるメーカーは、「ホリー・ホビー」の魅力を「簡素で質素に満ち、穏やかな心休まるシリーズ。時の流れに摩滅しない上品さを気高く湛えた製品…」と讃えています。

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★1973年(昭和48)当時、彼女が働いていたアメリカン・グリーティングス社のユーモア・プランニング部門にボブ・チルダーズ(Bob Childers)というベテランのアーティスト兼デザイナーがいました。チルダーズは「それぞれのキャラクターにはそれぞれそれなりの人形があってしかるべきだ」という持論を持っていました。しかし、その職場には彼の考えに耳を傾けるスタッフはいないようでした。そこで、彼は家に帰り、自分自身で布の人形を手縫いして最初の見本品を作り上げ、そのサンプルを編集ディレクターのコナーズに見せました。コナーズは製造担当副社長であったトム・ウィルソンのところへ持って行ってそれを見せました。そして、ニッカー・ボッカー・トイズ人形製作会社に「ホリー・ホビーを人形で作る製品化」を持ちかけた結果、1975年、ニッカー・ボッカー・トイズ人形製作会社はライセンス契約を取り交わし、まず「ホリー・ホビーの布人形」の製作に乗り出しました。「ホリー・ホビーの布人形」はアメリカの若い女性たちの間で評判を呼びました。そして「ホリー・ホビー」は布人形に加え、陶磁器製品(ノベルティ製品)をはじめとして、家具、ゲーム、文房具などのさまざまなアイテムで作られるようになりました。1990年代になると、布人形はトミー社(Tomy)によって作られ、ニッカー・ボッカー・トイズ人形製作会社はソフトビニール(ソフビ)製の製品も手がけました。2000年代になると、「ホリー・ホビー」は、テレビ化や映画化が行われてDVDが発売され、また、バービー人形で知られるMattel社は「ホリー・ホビー」をモチーフにHolly(青い目にブロンドの髪)の他にAmy(緑の目に赤い髪の毛)、Carrie(茶色の目に黒髪)という新しい3体のキャラクターを生み出し、それらにそれぞれ犬と一緒の小さなHolly、ブタと一緒の小さなAmy、猫と一緒の小さなCarrieも登場させるなど、「ホリー・ホビーがおばさんになって孫がいるという設定の物語」へと展開していったそうです。


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(↑ニッカー・ボッカー・トイズ人形製作会社の「ホリー・ホビー」↓)

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(↑「ホリー・ホビー」の布人形 Rag Cloth Dolls↓)

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(↑「ホリー・ホビー人形」の作り方キット↓)

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(↑「ホリー・ホビー」のパズルゲームキット↓)

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(↑紅茶入れ壺:当会の収集品↓)

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※このブログでご紹介しているのは主に「丸利商会」製の瀬戸ノベルティです。「ホリー・ホビー」のノベルティは、この丸利商会の他に山国製陶製、光和陶器製、加藤工芸製作の製品もあり、さらに、もう一社が作っていました。当会は、そのもう一社の製品を収集しています。↓

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(↑加藤工芸製)

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*左から2体が光和陶器製、右から2体目が超レアな山国製陶製、右端がメーカー不詳の製品です。

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*超レアな山国製陶製の「ホリー・ホビー」。

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(↑当会の収集品で、メーカー不詳の「ホリー・ホビー」↓)

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(↑米国クリーブランド市のアメリカン・グリーティングス社製 ・アメリカン・グリーティングス社向け特別調製の日本製)

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(↑昭和40年代に作られたと思われるメーカー不詳の「ホリー・ホビー」の瀬戸ノベルティ)

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★↑"Holly Hobbie"の作者、Denise Holly Ulinskas<デニス・ホリー・ウリンスカス>さんは現在、マサチューセッツ州のコンウェイという町にご健在のようです…(?)。

★1970年代から日米の少女たちを熱中させてきた「ホリー・ホビー」(Holly Hobbie)にはその続編があります。”KIT 'N KAT ”シリーズです。


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*これも、丸利商会製の瀬戸ノベルティです。

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★”KIT 'N KAT ”シリーズは、後ろで紐を結ぶエプロン型ワンピース<ピナフォア・Pinafore・エプロンドレス>がなんともカワイイ瀬戸ノベルティです。

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*しかし、当会の調べの限りでは、”KIT 'N KAT ”というこのシリーズはアメリカのインターネットオークションサイトではほとんど出品例がなく、また、これらの製品についての情報にも全く出会えません。”KIT 'N KAT ”のメーカーの「丸利商会」はすでに廃業倒産しており、現時点では、これらの製品についての詳しいことはわからないままであるため、”KIT 'N KAT ”シリーズは超レアな瀬戸ノベルティと言うことができるかもしれません。



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■現在、瀬戸ノベルティ倶楽部にホリー・ホビーの製品を展示しています。その中に皆さんにお譲りできる製品も多少あります。
 




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☆かわいいレース人形を自分で作ってみませんか!レース人形(レースドール)を自分で作る体験ワークショップの参加者募集!

◆当会の本ブログ人気度情報 ≪<viewカウンター総計>92843人、学問・文化・芸術部門16889人中トップクラスの192位、 デザイン・アート部門4443人中トップクラスの第29位≫ (2024年4月9日現在)

2024年4月20日(土)

☆かわいいレース人形を自分で作ってみませんか!きたる6月16日(日)に製作体験ワークショップを瀬戸ノベルティ倶楽部で開催します。


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(↑前回のレースドール製作体験ワークショップの様子↓)
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☆↑今回のワークショップで作るレース人形<ミッシェル>の完成イメージ:高さはおよそ15cmです↓。

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☆レース人形(レースドール)を作るワークショップは、今回が7回目になります。
*開催日は6月16日(日)、場所は当「瀬戸ノベルティ倶楽部」、10時から16時頃までです。
*募集人員は9名、参加費は15000円(材料と焼成代、アクリルケース付き)です。レースドールはとても繊細で壊れやすいため、人形のサイズに合わせたアクリルケースを当方ご用意します。完成品は焼成後にお渡しします。


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★「レース人形(レースドール)」はやきものの製作技術の中で最高峰に位置するやきものです。”瀬戸ノベルティの華”とも呼ぶべきこのレース人形の唯一の産地が日本では瀬戸市で、そうしたレース人形(レースドール)を作るメーカーが瀬戸市にはかつて何社もありました。しかし、今ではただ一社だけになってしまい、この瀬戸伝統のすぐれた窯業技術の灯が消えることが強く危ぶまれています。そこで、皆さんに<至宝の瀬戸ノベルティであるレース人形>を実際にご自分での手で作って頂き、瀬戸市がレース人形のかけがえのないふるさとであることの素晴らしさを実感して頂きたいと願っています。
☆ご参加される皆さんにご用意頂く物はエプロンやお手拭きのタオルだけです。汚れてもよい服装でおいで下さい。

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(レース人形のボディ<土台>:当方で用意します)

★現在、各地で旺盛に取り組まれている町づくりでは、他地域に例を見ないような「オンリーワンのモノづくりやコト」を核とし、売り」として、その文化的・産業的魅力を楽しく体験するという“コト消費”が主流となっています。その地域でしか味わえないような“魅力やあこがれ”を最大戦略の誘客ポイントとする町おこしのあり方であり、当会は、「陶都・瀬戸市の最高の“コト消費”」の白眉として、この「レース人形(レースドール)の製作体験」を提案しています。陶都・瀬戸ならではの最高に素敵で楽しいレース人形作りは当倶楽部でしか味わうことのできない広く開かれた試みです。ご参加の皆さんには、講師の指導にそって、陶都・瀬戸の醍醐味を思う存分楽しんで頂くことができます。


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★↑人形のボディにくくり付けるレースは木綿生地かナイロン生地のレース布で、

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そのレース布に泥状にした粘土(泥漿・でいしょう)をよく沁み込ませて人形のボディに取りつけます。
(こうしたレース人形に用いる材料はすべて当方で用意します。)


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*毎回、男性も参加されています。
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◆講師はレースドール作家の鈴木珠智さん(東京在住)です。
◆焼成後、製品をお渡しする際、レースドールはとても繊細で壊れやすいため、宅配等での配送は一切できません。完成品をお引き取りに来て頂ける方に参加者を限らせて頂きますので、どうぞご了承下さい。


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■体験を希望される方は下記までお知らせください。応募多数の場合は抽選とさせて頂きますので、ご了承ください。

メール setonovelty_club@yahoo.co.jp
☎    090-6339-0791 


〒489-0814 愛知県瀬戸市末広町3-16 (末広町アーケード商店街内)
瀬戸ノベルティ文化保存研究会(「瀬戸ノベルティ倶楽部」内 ・代表 中村儀朋)

(◆体験ご希望の方からお申込みが届いており、定員の締め切りが近づいています)




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「良二さんの桜」が満開になりました!

◆当会の本ブログ人気度情報 ≪<viewカウンター総計>92630 学問・文化・芸術部門17058中のトップクラスの185位、 デザイン・アート部門4479中トップクラスの第31位≫ (2024年3月31日現在)

2024年3月31日(日)  

「良二さんの桜」、満開に!

☆瀬戸市在住の本ブログ筆者宅前に植えてある山桜「良二さんの桜」が満開になりました。
 

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(↑本ブログの筆者<中村儀朋>の著書「さくら道」・名古屋の風媒社刊)

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(↑旧国鉄バスの車掌だった<奥美濃の櫻守り>故・佐藤良二さん)

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(↑本ブログ筆者宅前の道端に咲いた御母衣の桜2世の開花:瀬戸市内↓)

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(↑佐藤良二さんの遺影:実姉のてるさん夫妻から提供された写真)

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(↑御母衣湖畔の巨桜を見上げる故・佐藤良二さん)

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(↑御母衣湖畔の巨桜の実生から瀬戸市で満開に育った桜:2024年3月30日 中村撮影↓)

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「この地球の上に、天の川のような美しい花の星座を作りたい。花を見る心がひとつになって人々が仲よく暮らせるように…」(佐藤良二さんが遺した言葉)

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(「良二さんの桜」が満開に 2024年4月1日 中村撮影)

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(「今年も満開を迎えた良二さんの桜を祝して 乾杯!!)







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≪能登半島地震関連企画≫ 「池田マルヨ製陶」(株)のカワイイ瀬戸ノベルティをご紹介

2024年3月28日(木)

☆当会が出版を予定している本『カワイイ昭和~幻の瀬戸物・ノベルティ物語~』(仮題)に掲載を予定している瀬戸ノベルティをご紹介します。「池田丸ヨ製陶」(株)のカワイイ製品です。「池田丸ヨ製陶」のような石川・九谷出身の職人は、実は瀬戸ノベルティ産業にとってきわめて重要な役割を果たしてきたのです。


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*↑これはプラスティックとの組み合わせのノベルティで、メーカーの「池田丸ヨ製陶」(株)から「うちではもう要らないから…」というので、当会が頂いたものです。製品の製作年代は正確にはわかりませんが、それを推測する手がかりがあります。

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*↑1959年(昭和34)5月発行の『ギフトウェアーとホームファッション』というアメリカの生活雑誌です。この中に、同じような製品が紹介されているのです。

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*↑これは貯金箱のようです。下部が透明なプラスティックで透けているので、どのくらいお金(硬貨)が中に溜まっているかがわかります。この写真に写っている製品そのものが今もアメリカに残っているかどうかはわかりませんが、当会が丸ヨ製陶から寄贈を受けた製品とほぼ同種の製品であることがわかります。

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*製品の頭部が陶磁製のノベルティで作られ、下半分がプラスティックでできています。

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✲池田丸ヨ(株)の創業者は池田與作氏。『陶業人の栞(しおり)』という書には、「池田與作氏の存在も瀬戸窯業生産史上、忘れてはならない」人であると書かれています。
「明治24年4月25日、石川県能見郡寺井野町佐野に呱々の声を上げられた」。池田與作氏は「九谷焼の本場である佐野に於いて一徒弟として陶画を主に習得された」。明治44年に名古屋に出、日本陶器(現在のノリタケ)に入社。「大正3年(1914)、百尺竿頭一歩を進められ、…瀬戸市南仲之切町に進出、『池田与作商店』を創業された。…昭和23年、組織を変更、資本金七十万円で池田丸ヨ製陶株式会社と銘打ち、主として、北米向けノベルティに専念されている」(『陶業人の栞』)。

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✲↑池田丸ヨ製陶のカワイイ製品をもう少しご紹介します。↓

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✲↑これはスプレー缶のカバーです。

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✲↑紙の箱に入った水森亜土の手鏡。↓
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✲↑帽子をかぶったペアルックのノベルティ。↓

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✲↑池田丸ヨ製陶のゲイシャ(芸者)ガール。↓

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★池田丸ヨ製陶のような九谷出身の職人は、実は瀬戸ノベルティ産業にとってきわめて重要な役割を果たしてきました。

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★↑2014年10月26日の中日新聞・なごや東版に「瀬戸焼彩る九谷の技~職人が移住、繁栄支える」と題する特集記事が掲載されています。「明治後期から昭和初期の瀬戸市に、石川県から数十人もの九谷職人が移住してきた。上絵付けの技を持つ九谷の人々は、青い染め付けが中心だった瀬戸焼に豊かな色をもたらした。その色彩技術は後に瀬戸ノベルティ(陶磁器置物)に欠かせなくなり、瀬戸の陶磁器産業の大きな力となったが、今は知る人も少ない」。
当時、中日新聞瀬戸支局にいた水越直哉記者の記事です。

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★「背景には色鮮やかな瀬戸ノベルティの生産増大がある。2014年(大正三)、第一次世界大戦でドイツから陶磁器人形を輸入できなくなった欧米から人形の生産地として瀬戸に白羽の矢が立った。以降、瀬戸は瀬戸ノベルティの生産地として豊かな一時代を築いた」(中日・水越記者の記事)。池田丸ヨ製陶(株)も実は、大正3年(1914年)に瀬戸市で創業した会社なのです。

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★↑また、池田丸ヨ製陶は、「レース人形」を作る際に一般的に用いるレース布の代わりに、和紙を芯にして作る≪板レース≫と呼ばれる独特の製品づくりを開発しました。↓


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*輸出した当時の職人さんの息づかいが感じられる貴重な箱入りの製品です。

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★瀬戸ノベルティはこうした九谷の職人の他、市の内外からさまざまな人材を受け入れ、千余年と言われる陶都史上最大の繁栄をもたらしたのです。そうした外部から受け入れた人材と言えば、「集団就職」の若者たちでした。↓


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(↑池田丸ヨ製陶へ集団就職した女性工員の写真↓)

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(↑若い「集団就職」の女子工員たちが絵付けをした製品例↓)

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★瀬戸市への「集団就職」は主に九州、特に鹿児島県の出身者たちが多かったのですが、今も彼らが作った瀬戸ノベルティの製品はアメリカに沢山残されており、アメリカでも熱い注目を集めているカワイイ瀬戸ノベルティたちは、実はこうした若い「集団就職」の女子工員たちが絵付けを施した製品群なのです。


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(↑最盛期の頃の池田丸ヨ製陶<株>の焼成場)

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★池田丸ヨ製陶(株)も、「集団就職」の若者たちの力によって生産性を向上させました。そうして作られて輸出された瀬戸ノベルティの数々は、今なおアメリカを中心に数多く残されており、女性たちの心を虜にしています。しかし、瀬戸の人々は、業界も行政も、またメディアの人たちも、そうした大切な事実に注目しようとする人はほとんどおらず、一人当会のみ、と敢えて言う他ないのです。

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★↑当会が池田丸ヨ製陶(現在のIMARUYO・イマルヨ)から寄贈を受けたこれらのノベルティは主として1960年代から70年代にかけて作られた製品であり、今、アメリカできわめて高い評価を集め続けているヴィンテージ品となっているのです。
 

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※池田丸ヨ製陶(IMARUYO)が、2024年3月、「ノベルティメーカーとしての事務所」を廃止し、「ノベルティメーカーとしての歴史に終止符を打った」と聞きました。



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瀬戸でも桜が咲きました。本ブログ筆者のノンフィクション『さくら道』(名古屋・風媒社刊)とともに…。

◆当会の本ブログ人気度情報 ≪<viewカウンター総計>92559 学問・文化・芸術部門16620中のトップクラスの184位、 デザイン・アート部門4357中トップクラスの第35位≫ (2024年3月28日現在)

2024年3月27日(水)  

「良二さんの桜に乾杯!」

☆瀬戸市でも、愛知県内の開花宣言に先だって3月27日、桜の花が咲きました!瀬戸市在住の本ブログ筆者宅前の山桜です。
 

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★↑本ブログ筆者宅の2階のベランダから見た桜の開花です。↓

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■雨の合間に恵まれた快晴の今日3月27日、待ちに待っていた桜が咲いてくれました。
本ブログの筆者(中村)がその著書のノンフィクション『さくら道』(1987年刊)で書いた<奥美濃の櫻守り>故・佐藤良二さん。実姉のてるさんが御母衣(みぼろ)湖畔の巨木(樹齢400年余)の実から育てた実生の桜の苗木が今では高さ3メートルを越えるほどに成長し、咲いてくれたのです。実生のその桜を植えてからおよそ30年…。筆者はこの桜を「良二さんの桜」と呼んできました。この桜の開花に逢うと、いつも、この世に「桜の花街道」を夢見て早逝した旧国鉄バス車掌・佐藤良二さんのことを思い出します。自費出版した『さくら道』は幸運にも映画とテレビでドラマ化されました。山桜系の桜なので、開花は一般的なソメイヨシノよりも早いはずですが、今年は寒いためか、開花が一週間ほど遅れていましたが、27日、ようやく咲いてくれたのです。
 

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「この地球の上に、天の川のような美しい花の星座を作りたい。花を見る心がひとつになって人々が仲よく暮らせるように…」。

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(↑本ブログの筆者<中村儀朋>の著書「さくら道」・名古屋の風媒社刊)

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(↑旧国鉄バスの車掌だった<奥美濃の櫻守り>故・佐藤良二さん)

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(↑本ブログ筆者宅前の道端に咲いた御母衣の桜2世の開花:瀬戸市内)

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(↑御母衣湖畔の巨桜を見上げる故・佐藤良二さん)

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(↑本ブログの筆者の著書『さくら道~太平洋と日本海を桜で結ぼう~』)

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         (↑「良二さんの桜」の開花 )

■本ブログの筆者(中村)は、『さくら道~太平洋と日本海を桜で結ぼう~』を自身の初めての書として名古屋の素晴らしい出版社である「風媒社(ふうばいしゃ)」から出版しています。次の瀬戸ノベルティの本『カワイイ昭和~知られざるせともの・ノベルティ物語~』(仮題)は3冊目の著書になりますが、その書も「風媒社」から出版予定です。

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    (↑名古屋・風媒社<ふうばいしゃ>刊)

*『さくら道~太平洋と日本海を桜で結ぼう~』はJRになる前の旧「国鉄」時代、元国鉄バス車掌で岐阜県美濃白鳥町(現・郡上市白鳥町)に生き、桜の植樹に賭けた故佐藤良二さんの生涯を綴ったノンフィクションです。『さくら道』で佐藤良二さんの桜の植樹に賭けた人生を描きました。この『さくら道』の本がきっかけとなって光村図書の中学校の国語の教科書にも6年間にわたって拙文を掲載して頂きました。また、この『さくら道』は篠田三郎の主演で映画化され、さらに緒方直人主演により日テレ系でTVドラマ化もされました。
*旧国鉄バスの車掌であった佐藤良二さんは、国鉄美濃白鳥営業所に勤め、奥美濃の秘境と呼ばれた白川郷へ通う「名金線(めいきんせん)」と呼ばれた名古屋―金沢間の長距離バス路線に主に乗務していました。世界遺産で知られるこの白川郷へは今、一般には東海北陸自動車道で行きますが、その有料道路が開通する前、旧「国道156号線」はたびたび落石事故もあったので、「イチコロ路線」という悪名で呼ばれたこともありました。

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       (↑旧国鉄バス「名金線」)

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(↑良二さんは「名金線」の人気者で名物車掌でした)

*白川郷の旧荘川村の二つの寺に「荘川桜」と呼ばれる樹齢400年余という二本の桜の巨樹がありました。その寺のあった地域は、本格的なロックフィル式ダムとしては当時東洋一と言われた巨大なダム(御母衣・みぼろダム)の建設計画により水没することになりました。ロックフィル式ダムというのは、従来の重力式コンクリートダムとは異なり、粘土質で透水性の少ない土と大きな岩とを交互に積みかさねて堰堤とするダムのことです。そこで、その2本の桜の大樹は新しく生まれるダム湖(御母衣湖)の湖畔へ運び上げられ移植されることになったのです。

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(「荘川桜」の移植工事・1960年(昭和35)故・佐藤良二さん撮影)

*巨大な御母衣ダムは1960年(昭和35)に竣工しました。御母衣ダムは、戦後日本が高度成長へと駆け上がっていく礎ともなった豊富な電力供給を主な目的とする歴史的なダムとして作られました。佐藤良二さんは、「前代未聞の移植工事」と言われたその巨木の移植工事を好きなカメラで水没する集落や人々の暮らしとともに克明に記録しました。ダム竣工の翌1961年(昭和36)早春、良二さんは移植された2本の桜が芽を出しているのを確認し、巨樹の移植は成功しました。今から63年前のことです。

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            (↑満開の「荘川桜」

*良二さんは、その「世紀の大工事」の成功に触発され、自分の職場であった「名金線」を『桜街道』にしようと一念発起したのです。

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*良二さんは、勤務の合間の休日にオートバイに桜の苗木を積んでは「名金線」沿いの路傍に許可を得ながら桜を植え続けたのです。この本は、その頃、ダムで水没する予定の2本の「荘川桜」の移植工事との運命的な出会いによって人生の生きる意味を見出した一良二国鉄バスの良二さんの貧しくともひたむきに生きた物語なのです。

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*良二さんは水没予定地から免れるべく新しい湖畔に移植された樹齢400年余という2本の桜の大樹(荘川桜)の移植工事の成功をまのあたりにし、その深い感動から、『桜の街道』を作る夢を抱いたのです。そして、良二さんは、その実を拾って畑に蒔き、実生(みしょう)の苗を育て、それを植え続けたのです。

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   (実生の苗の芽生えに微笑む故・佐藤良二さん)

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(↑「弥吉小屋」と名付けた作業小屋のある畑で実生の苗を育てていた良二さん↓)

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    (中村が掘り起こした良二さんの日記帳)

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      (晩年の佐藤良二さん)
  
★良二さんは、自分の職場でもあった名古屋―金沢間を『さくら街道』する夢を抱き、生涯に約2000本の桜を植えました。しかし、その夢は叶わず、病を得て1977年(昭和52)に47歳という若さで亡くなりました。筆者(中村)はこのノンフィクションの中に次のような良二さんの言葉を書き込みました。

「この地球の上に、天の川のような美しい花の星座を作りたい。花を見る心がひとつになって人々が仲よく暮らせるように…」。


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(↑本ブログの筆者の著書・名古屋の風媒社刊)

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(↑佐藤良二さんの遺影:実姉のてるさん夫妻から提供された写真)

*この桜は「荘川桜」と呼ばれ、白川郷へ通う旧「国道156号線」沿いに立っています。御母衣のダム湖が始まる最初の青い橋を渡り、しばらく車で走りるとやがて湖の前方方向に大きな木が見えてきます。それが佐藤良二さんが人生の出会いとなった「荘川桜」です。例年、ゴールデンウィークの頃に、日本での桜前線が津軽海峡を越え、北海道で桜が咲き始める頃に御母衣湖畔のこの2本の桜は満開を迎えます。しかし、「東海北陸自動車道」ができた今は、荘川桜のある旧道の国道156号線を通る人はめっきり少なくなりました。
*良二さんの実の姉のてるさんも弟・良二さんの夢を受け継ごうと、荘川桜の実を拾って実生の苗を育て、その実生の桜を植え続けました。その実生から育ててた苗木の一本を、瀬戸の私にも寄贈してくださったのです。本ブログの筆者はその木を我が陋屋の前の名鉄バスが走る道沿いに植えました。1995年頃のことだったと思います。

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      (↑2021年3月15日撮影↓)
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        (2021年3月15日撮影↓)
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*瀬戸に来た当時はまだ1メートルほどだった幼い苗木も元気育ち、今ではもう3メートルにもなりました。

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(↑瀬戸市内:本ブログの筆者の住むあたり 2024年3月27日撮影↓)

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*姉のてるさんが私に下さったのは、その湖畔に移植された巨樹(荘川桜)の種から育てた実生の苗の一本でした。ヤマザクラ種ですので成長は遅いのですが、里の一般的な染井吉野に比べて例年1週間近く早く咲きます。その桜の木が今年は昨27日に開花しました。「良二さんの桜」はあと1週間くらいで満開になるでしょうか…。例年満開の時には、筆者は缶ビールの蓋を開け、「良二さん、ありがとう…」と亡き佐藤良二さんの霊に感謝の乾杯をささげ、拙著に触発されて郡上市のフォーク・グループ「ピペファート」が作ってくれた『さくら道』という歌のCDを聞きながら、筆者も顔をピンクに染めることを楽しみとしています。

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(郡上市のフォーク・グループ「ピペファート」が<さくら道>を歌ってくれた)

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(↑<さくら道>を歌ってくれた「ピ・ペ・ファート」のコンサート風景:当会撮影)

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(このCDをご希望の方は「ピペファート」郡上市・田代さんへお問い合わせ下さい zukasama0022rosita@docomo.ne.jp )

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(↑瀬戸市で開花した御母衣・樹齢400年の荘川桜の子孫:中村撮影↓)
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 (↑本ブログの筆者の陋屋の前↓)
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瀬戸ノベルティが造形した「ナポレオン像」と世界の名著

◆当会の本ブログ人気度情報 ≪<viewカウンター総計>92499 学問・文化・芸術部門16330中の第283位、 デザイン・アート部門4280中の上位第45位≫ (2024年3月19日現在)

2024年3月24日(日)  瀬戸ノベルティが造形した「ナポレオン像」と世界の名著

★ロシアのプーチンの残酷ぶりととめどもない権力志向に言葉を失います。
昨年3月17日、国際刑事裁判所(ICC)はロシアのプーチン大統領に戦争犯罪の容疑で逮捕状を出しました。容疑はロシアが侵略占領しているウクライナの国から大勢の子どもたちをロシアへ連れ去り、「再教育」を行っているとされる件です。プーチンはウクライナをネオナチであると非難していますが、民間人の虐待や虐殺も含め、現在に至るまでの一連のプーチン像の侵略行為には、旧ソ連を蹂躙したナチス・ドイツのみならず、2万人もの自国民を粛清してきたと言われる旧ソ連の領袖・スターリンの人物像が二重写しに見えます。

★世界中を敵に回して続けているロシアのプーチンによる狂気の蛮行を前に、当会は、世界的な名著・ドストエフスキーの『罪と罰』を読み、またジョージ・オーウェルが全体主義的な"ディストピア"世界を描いたとされる小説『動物農場』(原題: Animal Farm 『アニマル・ファーム』)を読むと、プーチン大統領のその深奥に<跳梁跋扈>している「皇帝ナナポレオンの幻影」が見えてなりません。

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(↑『罪と罰』の主人公・ラスコーリニコフが憧れたナポレオン/瀬戸ノベルティ像・丸山陶器ギャラリーでの展示品)

スポニチ=モスクワロイター
(↑対ナチス・ドイツ戦勝記念日式典で観衆に手を振るプーチン大統領=2023年3月9日、Ⓒスポーツニッポン新聞社・モスクワ/ロイター)

★「ロシアの専制君主」プーチン大統領には必ず断罪される日が訪れます。その日を前に、「ナポレオンの幻想」に憑りつかれているかのような≪現代の稀有の愚者・プーチン≫の人物像を考えます。


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(↑本ブログの筆者が読んだジョージ・オーウェル作『動物農場』・角川文庫版=ブックオフで108円)


■擬人化されたブタたちの世界とその首魁で「ナポレオン」という名の栄光と追放の物語を描いたジョージ・オーウェルの傑作『動物農場』。そして、自分を「皇帝ナポレオン」のような≪非凡人の超エリート≫と自任する元エリート学生の主人公・ラスコーリニコフが「たとえ人を殺してもそれが世のための行為であれば、その行為は正当化される」という身勝手な論理を抱いて殺人を犯してしまう姿を描いたドストエフスキーの長編小説『罪と罰』。 
■今、核兵器をちらつかせて世界中を敵に回し、国際裁判所から世界中に指名手配されているロシアの現「専制君主」プーチン大統領。「ナポレオンのような煩悩」がその心奥に棲みついているかのようなプーチンから垣間見えてならないその末路と挽歌が思われてなりません…。


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     (↑瀬戸ノベルティの豚)

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(↑ナポレオンの瀬戸ノベルティ<当会の収集保存品>)

★瀬戸ノベルティの特徴や魅力は、あくなきリアリティの追求であり、また、その対極にあるかのような愚意的な「擬人法」によって作られている瀬戸ノベルティが醸し出す豊穣な想像力です。例えば、豚をモチーフとする瀬戸ノベルティにはカワイイノベルティがたくさんありますが、そうした豚のノベルティの中に、「擬人法」により造型された恐ろしいほど印象的なブタのノベルティが数多くあることに気がつきます。風刺的な豚のノベルティです。

★人間存在の深い闇を洞察した世界的作家として知られるジョージ・オーウェル(George Orwell )。


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 (↑ジョージ・オーウェル 1903 -1950)

★そのジョージ・オーウェルに、全体主義的な"ディストピア"世界を描いた『動物農場』(原題: Animal Farm 『アニマル・ファーム』)という小説があります。『動物農場』は第二次世界大戦直後の1945年(昭和20)8月17日にアメリカとイギリスで刊行されました。人間たちにいいようにされている農場の動物たちがついに反乱を起こす。老豚をリーダーとする動物たちは、自らの意思と力とで人間による支配から自分たち動物を解放し、すべての動物たちにとって平等で理想的な“動物共和国”の建設に成功します。しかし、その指導者となった豚たちの集団がやがて権力を欲しいままにした結果、豚以外の他の動物たちは前よりもひどい生活に苦しむことになります。この『動物農場』は「ロシア革命」を念頭に、社会主義的ファシズムを風刺し批判したと言われる寓話的な小説なのです。

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  (↑角川文庫版、ジョージ・オーウェル『動物農場』 )

★その豚の名は《ナポレオン》ー
*ある農場に飼われている動物たちが人間の“横暴”に怒ってついに反乱を起こし、人間を放逐し、その代わりに動物たちが主役となる“動物民主農場”を作り上げるという物語です。この物語では、ひときわ大きな豚がリーダーとなったことから豚たちを支配階級とする強固なヒエラルキー≪階級≫社会が構築されていきます。その領袖(頭領)である豚の名が《ナポレオン》なのです。瀬戸ノベルティの中には、この《ナポレオン》のような居丈高かなイメージぴったりの豚のノベルティがあります。

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           (↑瀬戸ノベルティの豚)

■豚たちはその《ナポレオン》を頭領に祭り上げます。《ナポレオン》は配下の豚たちに命じて「同志ナポレオンはいつも正しい」「同志ナポレオン、ばんざい!」「四本脚はよい、二本足悪い」などと連呼させ、そのうち、《ナポレオン》はブタの支配に楯突く他の動物たちを次々と「粛清処刑」し、強権と恐怖の統治を行っていくようになります。《領袖・ナポレオン》の命令は、キイキイ声の持ち主で天才的な雄弁家であるスクィーラーというKGB長官のようなブタが取り仕切ります。

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■この小説には、様々なブタが登場します。《ナポレオン》とリーダーの座を争って熾烈な暗闘と抗争を繰り広げた後に追放されてしまう<スノーボール>という名のブタ。

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■《領袖・ナポレオン》のお気に入りの雌豚までが「牧場主の妻が着ていた波形模様の絹のドレスを身にまとって」現れ…、

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  (↑瀬戸・本地陶業製のノベルティ)

■特権階級になったつもりでいるブタたちの中には《領袖・ナポレオン》の身辺警護をもっぱら受け持つKGBのようなブタの集団も結成され、特権風を吹かせながら横暴を極めていきます。

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  (↑ディズニー60年記念アニバーサリーのノベルティ↓)

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■「ブタたちは他の動物たちよりも賢い」ので、「毎日、『とじ込み文書』『報告書』『議事録』『覚え書き』などというまるで難しい書類と取り組んで大変な労力を払わなければならないから食べ物も酒も休息も充分に必要なのである」。

■《領袖・」ナポレオン》は、「牧場主が使っていたフカフカのベッド」に眠り、「クラウン・ダービー磁器の正餐用食器ひと揃いを用いて食事」を摂り、「クラウン・ダービーのスープ用深鉢にビールをなみなみついで」飲むのが当然である、《豚のナポレオン》は『黒の上着に、乗馬ズボン、皮ゲートルといういでたち』で現れ、『傲慢な視線を左右に投げかけながら、前脚に鞭を持ち、威風堂々と二本脚で立って歩く』ようになります。そして、部下のブタたちもまた、領袖ナポレオンをそっくり真似て同じように二本脚で立って歩くようになるのです。

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  (豚の瀬戸ノベルティ:当会の収集品)

★ウクライナに突如侵入した「侵略者プーチン」の荒々しい所業を目の前に見せつけられている私たちの心の中に募る思いがあります。「人間の心の中に巣食う欲望(煩悩)の一つで、最高の快楽に満ちた欲望とは何か?それが、他者の上に立ち、他者を支配するという≪権力欲≫という欲望であり、そうした人間の欲望の本性をまざまざと見せつけるような存在が、例えば動物で言えば「豚という存在」であり、人間世界で言えば今のプーチンという人間なのではないか…」、そんな思いがしてなりません。当会は、今、ウクライナの主権と領土への侵略を続け、ウクライナの人々の命と尊厳に対する冒涜と破壊を止めない<ロシアの領袖・プーチン>と「動物農場」を支配する《ナポレオン》という名の豚」とを重ね合わせて思わずにはおられないのです。

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(英語版 ジョージ・オーウェル作 『動物農場』)

★プーチンの「あくなき権力欲」の中に、ジョージ・オーウェルが『動物農場』の中で描いているような「≪ナポレオン≫という名の豚が棲みついている」のではないか…、本ブログの筆者にはそう思えてならないのです。

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(英語版 ジョージ・オーウェル作 『動物農場』)

★このジョージ・オーウェル作の『動物農場』という小説は、末尾の高畠文夫さんの解説文で、「1917年の二月革命に始まり、1943年末のテヘラン会議に至るまでのソビエト連邦の歴史、つまり、スターリン体制下に於けるソビエト連邦の歴史に対する風刺である」とする見方が示されています。

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 (↑瀬戸ノベルティの豚:当会収集品)

★そして、「プーチンの心の中に、もう一人の『超エリート意識に凝り固まったナポレオン』がいる…」、本ブログの筆者にはそう見えます。ジョージ・オーウェル作の『動物農場』で豚たちは、《ナポレオン》を頭領に祭り上げ、その《ナポレオン》は配下の豚たちに命じて「同志ナポレオンはいつも正しい」「同志ナポレオン、ばんざい!」「四本脚はよい、二本足悪い」と連呼させ、そのうち、《豚の頭領・ナポレオン》はブタの支配に楯突く他の動物たちを次々と「粛清処刑」し、強権と恐怖の統治を 行っていきます。
*ウクライナ侵攻が続く中でこのほど行われたロシア大統領選(2024年3月15日~17日)でプーチンは「記録的圧勝」により通算5選を果たしたそうです。政敵・ナワリヌイ氏を北極圏の刑務所に追いやった果てに謀殺したと言われるなど、現在のプーチンの姿の中に、当会には小説『動物農場』でジョージ・オーウェルが描いた民衆を洗脳する手法―知らぬまに他の動物たちを「下層動物・下層階級」と見下げ、巧妙に心を洗脳し支配していく「《ナポレオン》という名の豚」の為すと同様の思考統制や言論統制、また教育戦略、宣伝手法―がプーチンの民衆支配戦略であるように見えてなりません。


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(↑瀬戸ノベルティのナポレオン像・丸利商会製:当会の収集保存品↓)

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       (↑朝日新聞 2022年5月10日朝刊)

★一方、1866年(慶応2年)に刊行されたドストエフスキーの小説『罪と罰』は、「病的な頭脳が生み出した事件をめぐる暗い事件」の物語です。
*2024年3月20日の朝日新聞≪天声人語≫欄に次のような記述がありました。「アンタら、ゆうとくけどな、ワシらは泣く子も黙る金貸しなんやでー。かつての人気漫画『ナニワ金融道』に出てくる金融業者の決めぜりふである。彼らはあの手この手の知恵を絞って金もうけに奔走する。得意技のひとつは金利に絡む怪しげな錬金術だ▼利子は、お金が自分でお金をかせいでくれる。欲望にまみれた人間の業を『恐ろしいほどに炙(あぶ)り出す』と作者の青木雄二さんは指摘した。『罪と罰』のラスコーリニコフが高利貸しの老婆を殺(あや)めたのも、そんな理由ではなかったか…」。

★この『罪と罰』の中で、元エリート学生の主人公・ラスコーリニコフが「高利貸し」の女性たち二人の職業を唾棄するがゆえに鉈で惨殺してしまうという顛末の中で、主人公のラスコーリニコフが憧れを寄せる存在として『天才で英雄のナポレオン』が描かれているのです。


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(↑瀬戸ノベルティのナポレオン像・丸利商会製:当会の収集保存品↓)

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★「歴史的偉人」とされるナポレオンのような存在への憧れがプーチンの心の中にも棲みついているのではないか…、本ブログの筆者にはそのように思われてなりません。
  

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        (↑新潮社文庫本『罪と罰』上下2巻)
 
■『罪と罰』の舞台はロシアのペテルブルグ(現サンクト・ペテルブルク<旧レニングラード>)で、奇しくもプーチン大統領が生まれ育った街です。主人公のラスコーリニコフは貧困のため学資が続かなくなって退学した元法科の大学生で、自分は世に選ばれた天才であると自負するエリートです。この小説では、ラスコーリニコフは「ヒポコンデリー(気鬱症・偏執狂)<新潮文庫上巻p368・386・402>」のような精神的ハンディを抱える人物像として描かれ、「大きな目的が善を目指していれば、一つくらいの悪行は許される、というような理屈」を持つ主人公・ラスコーリニコフは、高利貸しの老女(とその妹の2人)を強欲で社会に害毒を流すだけの「シラミのような存在」で「貧乏人の生血を吸っている<新潮文庫上巻p481・482>、誰の役にも立たないシラミのような存在」として見下ろし、選ばれたエリート人間であれば行っても許されるという自己本位の正義感と論理から彼女らを斧で惨殺してしまうのです。「この世の中には一切の無法行為や犯罪を行うことができる完全な権利を持っているある種の人々が存在する」…、月刊誌にラスコーリニコフが発表した「犯罪遂行の全過程における犯罪者の心理状態を考察した」論文<新潮文庫上巻p453>)が紹介されています。ラスコーリニコフのその論文によると、「すべての人間は《凡人》と《非凡人》に分けられる、凡人は平凡な人間であるから、服従の生活をしなければならないし、法律を踏み越える権利がない、ところが、非凡人は非凡な人間であるから、あらゆる犯罪を行い、勝手に法律を踏み越える権利を持っている、とする「狂信的な思想の持主」がラスコーリニコフなのです。
 

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(↑『罪と罰』の主人公・ラスコーリニコフが憧れたナポレオン<丸山陶器ギャラリーの展示品>)
 
★最後には、家計を助けるために『醜業を職とする<身を売る=売春>少女ソーニャとの出会いによりラスコーリニコフはソーニャから注がれる限りない愛情を受けとめるなかで「人間としての再生」を促され、自分の罪を告白し、その罪に対して第二級流刑囚としてシベリア流刑8年の判決を受けます。ラスコーリニコフは真冬のウラル山脈を越えてシベリアの監獄に送られ、そこで煉瓦を作り、石膏を焼いたりする強制労働に従事しながら、自分が殺人を犯すに至るまで身の内に形成して来た思想や人生観と向き合う自省の歳月を過ごすのです。
★プーチンは、このドストエフスキーの『罪と罰』の物語が描かれる舞台となっているペテルブルグ(現サンクトペテルブルク<旧レニングラード>)に1952年に生まれました。そして、名門のレニングラード国立大学法学部で法律を学び、大統領という最高権力者の地位に登りつめました。本ブログの筆者は、この『罪と罰』という書から、ラスコーリニコフの分身であるかのような身勝手で独善的な論理や粘着質とでもいうような気質を「プーチンという人間」の中にも見出せるような気がします。
 

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(↑朝日新聞「声」欄の風刺画 2022年5月14日朝刊↓)
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■新潮社文庫本『罪と罰』の翻訳者・工藤精一郎氏は、作者のドストエフスキーの性格について「病的なまでに強い自意識と非社交性と抑制のきかぬロシア的性質」、と形容しています。その解説文で工藤氏はまた次のように述べています。「トルストイとドストエフスキーの両巨匠は、1860年代の改革に浮かれ騒ぐ若い世代に、いかにも両者らしいやり方で警告を与えた。トルストイは『戦争と平和』でロシアのあるべき理想の姿を教え、ドストエフスキーは『罪と罰』で人類の本性を忘れた理性だけによる改革が人間を破壊させることを説いたのである」。『罪と罰』を実際に読んでみると、当会には虐殺を正当化し続ける<現代のロシアの帝王>とも呼ぶべきプーチン大統領の中に、『罪と罰』の主人公・ラスコーリニコフの自己陶酔型の歴史観や身勝手な論理が見事に重なって見えてならないのです。 
 

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(↑朝日新聞 5月10日朝刊)

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(↑東スポweb=ロイター)

■一方、ジョージ・オーウェルの『動物農場』では、「民衆」の指導者となった「≪ナポレオン≫という名の豚」が実際には民衆を下層階級として支配することに無上の快楽と喜びを得る独裁者と化し、やがてその独裁政治が恐怖政治へと変貌していくという実際の過程が描かれる恐ろしい小説なのです。人間を豚や馬などの動物に見立てることにより、民主主義が全体主義や権威主義へと陥っていく危険性、理想を目指したはずの革命が独裁体制と専制政治によって裏切られ、革命以前よりも悪くなっていくという実際の過程を痛烈かつ寓話的に描いた『動物農場』は『二十世紀のイソップ物語』と言われる小説なのです。■1991年の共産党独裁体制が崩壊し、ソ連は解体しました、そのソ連崩壊の後、大統領の座をエリツインから引き継いだプーチンが大統領としての座にとどまって来た歳月を振り返ってみれば、まさに、「民主主義が全体主義や権威主義へと陥っていく危険性、理想を目指したはずの革命が独裁体制と専制政治によって裏切られ、革命以前よりも悪くなっていく」という実際の過程をまさまざと見せつけられる思いがしてなりません。  

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(英語版 ジョージ・オーウェル作 『動物農場』)

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(↑「ナポレオン」の瀬戸ノベルティ像:メーカー不詳・当会の収集保存品↓)

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■角川文庫版『動物農場』の訳者・高畠文夫氏は、同書巻末の解説の中で、「≪豚のナポレオン≫はスターリンに対応する擬人化である」としています。目の前でプーチンが今、実際に行っているウクライナ侵攻と侵略の実際の有り様を見る時、プーチンの中に超エリート意識に凝り固まった『罪と罰』の主人公・ラスコーリニコフと、『動物農場』で描かれる醜悪な権力欲に支配されたかのような「豚のナポレオン」とが跳梁跋扈する有様がまざまざと手に取るように見えてくるような気がします。そうした「二つのナナポレオンの幻想」の虜になっている存在が今のプーチンなのではないでしょうか…。


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(↑読売=ロイター)

*もとより、豚のノベルティにはカワイイ瀬戸ノベルティもたくさんあります。

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         (↑瀬戸ノベルティの豚)

ディズニー60年記念アニヴァーサリー
  (↑ディズニー60年記念アニヴァーサリーのノベルティ)   
 
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愛龍社製
   (↑あかりの瀬戸ノベルティのブタ)

■『動物農場』の解説者・高畠文夫氏は次のようにも書かれています。「この小説にはもう一つの寓意が秘められている。『権力』というものは、それがどのようなイデオロギーと結びついていようと、確立されて定着し永続すると、必ずその権力を握るものの腐敗と堕落を生むのである。『権力』というものの普遍的な本質とその必然的な法則とを摘出して、われわれに見せつけてくれたのだ」。今、目の前でプーチンがウクライナで見せている暴虐と非道は、先の日中戦争、そして太平洋戦争時にわが日本国(軍)が、「うわべだけは旧来の支配者を打倒し、苦しむ一般民衆を援助するように見せかけながら、結局は自分たちがアジアの盟主になろう」としてアジアの人々に対して行った暴虐非道そのものではなかったか…、そんな識者の見方に本ブログの筆者も共感を寄せる一人です。高畠文夫氏は、戦争の時代のみならず平和ボケに浸っているような平時日本の危うい姿についても言及し、「ことごとにGNP世界一位とか称する統計をかつぎ出しては、一般国民に、彼らがいかにも富裕になり幸福になったかのような錯覚を与える宣伝に憂き身をやつしている、どこかの国の政治家のやり方と何と似ていることか…」と書いておられます。いつの間にか、この日本にも「プーチン的な支配の図式」が音もなくにじり寄っていくのではないか…と思うと、背筋が冷たく凍り、目の前の政治のあり方や世論というものを油断なく見守っていかねば…、と強く思うのです。

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(↑ジョージ・オーウェル『動物農場』の本の表紙↓)

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スポニチ=モスクワロイター

(↑対ナチス・ドイツ戦勝記念日式典で観衆に手を振るプーチン大統領=9日、Ⓒスポーツニッポン新聞社・モスクワ/ロイター)

■プーチンはいつまで人々の不満を強権で抑え込めるでしょうか?プーチン体制が永らえば永らえるほどロシアは停滞し続けるでしょう。ロシアの人々の良識がプーチンという一人の男の中に跳梁跋扈する「豚という姿を纏ったナポレオンの幻想」を許しておくはずはない…、と当会は信じたいのですが、アメリカや日本を含む世界の大勢がそうしたプーチンに対して全く無力であるという実態が続いていることが何とも罪深く、またいたたまれなく思われてなりません。狂気のプーチンが最高権力者の座を追われ、断罪される日はいつか必ず来るのです。プーチンは自分が起こした侵略戦争を終結し、自分が犯した蛮行の始末を自らつける責任があります。プーチンは自らの指揮によって流させてきた多くの人々の夥しい血に対してプーチン自らが己の血を以て償わなければならない時が来ないはずはありません。

…祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響き、盛者必衰の理…、ひとへに風の前の塵に同じ…


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        (↑瀬戸ノベルティの豚)

★ジョージ・オーウェルの『動物農場』に出て来るような豚、馬、犬、ヤギ、ロバ、羊、カラスなどを瀬戸ノベルティとして作り、『動物農場』の世界を造型してみたらどれほど痛快であろうか…、そんな想像が膨らむのです。



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能登半島地震に寄せて/ 石川県寺井町<九谷>出身、故・角谷信吉さん(瀬戸ノベルティの絵付け職人) の技~

◆当会の本ブログ人気度情報 ≪<viewカウンター総計>92411 学問・文化・芸術部門17296中の第167位、 デザイン・アート部門4551中のトップクラス第30位≫ (2024年3月19日現在)

2024年3月17日(日)  

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(↑左・角谷信吉さん:仲良しの在米オキュパイド・ジャパン・コレクターズクラブ代田中荘子さんと:2020年1月当会中村撮影)

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(↑ノベルティ絵付師の故・角谷信吉さん)

★私たちは、ノベルティ絵付師の故・角谷信吉さん(享年89)とのご縁に恵まれて、かれこれ10年以上も交流を続け、瀬戸ノベルティの実際についていろいろ教えて頂いてきました。


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(↑ノベルティ絵付師の故・角谷信吉さん:ありし日の瀬戸市内の自宅の工房で)

<ノベルティ絵付師、故・角谷信吉さんの履歴>

*昭和8年(1933年・宮沢賢治死去の年)8月4日生まれ(小学校6年で終戦)
*父(石川県寺井町<九谷>出身)も絵付け師。
*15歳から絵付け、父を師匠にして見よう見まねで仕事を覚えた。(戦中は碍子製造に従事)
*瀬戸市のノベルティメーカー「博雲陶器」で絵付の仕事。(筆による絵付け、転写・吹きも)
*昭和35年(伊勢湾台風後)、兄の片腕として、自宅の工房で外注としての絵付け仕事を行う。
*妻の外美(そとみ)さんは75歳で没

★角谷信吉さんはいつも瀬戸市末広町商店街にある当会の活動拠点「瀬戸ノベルティ俱楽部」においで下さっていました。しかし、暫く姿をお見かけしないなあ?…とスタッフとともに心配していました。「顔を見ないと私たちも心配だから…」、そういって私たちからも信吉さんに時々お顔を見せて下さい、とお願いしていたのです。そして、たまたま知人から「角谷信吉さんが亡くなった」とお聞きしたのです。


*当会の手元には、これまでの交流の中で当会が撮影させて頂いたり、収集してきた写真を沢山保存しています。

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(↑ありし日の角谷信吉さん:2016年、当会撮影)

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*↑これは、角谷信吉さんが絵付けを施した作品で、『にわとりカーニバル』と名づけられたノベルティ作品です。↓

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*この白生地は廃業したあるノベルティメーカーから当会が頂いたものです。その白生地に角谷さんが、「夢のようなニワトリを作りたい…」と、ありえない色の羽を持つニワトリとして絵付けをしてくれた作品です。(勿論非売品ですが、譲って欲しいと言う人が後を絶ちません。)

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(↑昭和35年に建てたというありし日の自宅の工房で:2014年4月1日当会撮影)

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(↑妻の外美(そとみ)さん(左端)もこの工房で職人とともに絵付けをしていました:2014年4月1日当会撮影)

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✲何気ない招き猫にも瀬戸の職人の優れた技が息づいている…そうしたことを教えてくれたのも角谷信吉さんでした。


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(↑2018年9月19日、当会撮影)

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✲ひげを見てください。

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✲このひげは一気に一筆で描き上げます。このように、一気に一筆で勢いのあるひげを描けるほどの技を持つ職人さんが近年少なくなっている、と角谷さんは言っていました。


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✲「一気に描き上げないとこんな風にはできないんですよ。途中で筆をつなぐとその跡が見えるし、勢いがそがれるんです。何気ないようでも、職人としての年季を重ねなければ、こんな風に自然に描けるようにはならないんですよ…」、ベテラン絵付け職人の角谷信吉さんはそう言っておられたのです。

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✲こうしたひげは、絵の具(釉薬)の量も濃さも自然に上方向に流れ、勢いを矯めずに眉毛の位置までひ一息で描かれています。このような筆致は類い稀な職人技によってこそ可能だというのです。招き猫専門館のネット画像を見ても、このように高くひげが跳ね上げられて描かれているような製品の画像はほとんど見当たりません。

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✲何気なく当たり前のように見えるこうした「招き猫特有のひげ」も長年の経験の積み重ねからこそ生まれますし、習熟した技によってこそ描き出せるんです…、角谷信吉さんはそう言っていたのです。ささやかなことなのかもしれません。しかし、こうした何気ない無形の優れた職人技の顕彰とその継承こそが今の陶都・瀬戸が問われている大切な課題なのではないか…、当会にはそう思われてなりません。

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  (↑2014年10月26日 当会撮影↓)

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(↑角谷信吉さんが満80歳の時、当会のために絵付けをしてくれた製品)

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 (↑ありし日の角谷さんの工房で↓)
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★「"陶芸"一本鎗か?」のようにも見えてきた瀬戸市の文化産業行政は、これまでノベルティの産業や文化をほとんど評価せず、それに携わってきた職人さんたちを紹介することなどほとんどないように推移してきたと思われてなりません。そうした偏向行政への批判をはっきりと口にする当会と違い、信吉さんご自身は自分ではそうした行政への不満を一切口にすることもなく、私たちに対して、私たちが発するいろいろな質問や依頼に喜んで瀬戸弁で応えてくれていました。角谷信吉さんは、私たちにとっては、瀬戸ノベルティの生産と継承を身を以て担ってこられた「無名の職人さんたち」の一人であり、かけがえのない大切な先達でした。そんな角谷信吉さんを私たちなりに顕彰したい…、そんな思いから私たちはこれまで角谷信吉さんを当会の活動の中で評価し、また新聞などのメディアにも時折取り上げてもらってきたのです。

◎◎◎2020年1月17日
(↑末広町商店街で食パンを買って帰る独り暮らしの頃の故・角谷信吉さん:2020年1月17日、当会代表・中村が撮影)

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(↑ウルトラマン家族の瀬戸ノベルティ:故・角谷信吉さんから当会への寄贈品)

★瀬戸ノベルティは、角谷さんのように、絵付け仕事の基礎は石川県出身(寺井町<九谷>など)の絵付け師さんたちによって築かれていたのです。




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インスタグラムストーリー『瀬戸ノベルティを遊んじゃう!~"ノベルティハンター・ラランジャニンジャ三宅さんの秘かな愉しみ・"ほっこりカワイイ小僧"の世界』~《ラランジャ小僧劇場》

◆当会の本ブログ人気度情報 ≪<viewカウンター総計>92326 学問・文化・芸術部門16784中の第253位、 デザイン・アート部門4423中のトップクラス第42位≫ (2024年3月15日現在)

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(↑ラランジャニンジャ三宅さん作 「ほっこりカワイイ小僧たち」)

2024年3月10日(日)

◆◆インスタグラムストーリー『瀬戸ノベルティを遊んじゃう!~"ノベルティハンター・ラランジャニンジャ三宅さんの秘かな愉しみ"ほっこりカワイイ小僧"の世界』~《ラランジャニンジャ小僧劇場》

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★いろいろなノベルティを渉猟し、好みのノベルティを旺盛に収集する「ラランジャニンジャ」こと三宅薫さん(常滑市在住)は、アメリカなど遠く海外からもノベルティを集めるノベルティコレクターとしてつとに名高い人です。この三宅薫さんについて特筆すべきことがあります。それは、好みのノベルティの中に三宅さんが特に好みの”コゾウ(小僧)”という「推しのノベルティ」があり、その”コゾウ(小僧)”をテーマに「ラランジャニンジャ劇場"ほっこりカワイイ小僧"の世界」というインスタグラムストーリーを練り上げ、日夜一人愉しんでいるということです。

■<例―1  インスタグラムストーリー・ラランジャニンジャ三宅の秘かな愉しみ"ほっこりカワイイ小僧"の世界「とかく世の喫茶店の中には…」>
 

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★こうしたユニークな世界を生み出すラランジャニンジャ三宅さんの想いを手記を交えて以下ご紹介します。 

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■私(三宅)と瀬戸ノベルティ「コゾウ(小僧)」との出会いー(三宅さんの手記)
 その出会いは昭和後期まで遡ります。当時住んでいた広島の祖母宅には木彫り熊やこけしに交じってかわいい瀬戸ノベルティがタンス棚にびっしり飾られていました。何故こんなに沢山飾っているのだろう?と子供ながら不思議に思っていたものでした。世は平成になり、ノベルティのことを忘れていたある日突然、まるで心の内側から欲するかのように私は昭和のノベルティを集め始めました。内藤ルネや水森亜土のファンシーなどのノベルティはとても懐かしく、私に幼少期を思い出させてくれ、その口角の上がった顔は見る度に私の心を幸せな気分にしてくれました。
   
◆◆インスタグラムストーリー・
<例―2  インスタグラムストーリー・ラランジャニンジャ三宅の秘かな愉しみ
"ほっこりカワイイ小僧"の世界「男として、プーチンに言わずにはおられない!」>


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「…そうだよね。(私ボスの)ナガネギマン・ギホ―は、小僧さんたちからしかと教わりました!ありがとうございます」。

★「コゾウ(小僧)」の魅力ー

 私(三宅)はその後、瀬戸で作られたノベルティ人形(手活、四ツ活人形など)を集め始めるようになり、それを現代風に私なりにアレンジしてはSNSのインスタグラム等で細々と紹介してきました。老舗のノベルティメーカー・丸山陶器製の赤ちゃん人形、私命名の通称「コゾウ(小僧)」はその中でも特に人気がある人形で、そのリアルで誠に渋い風貌の「コゾウ」は最初戸惑って見ていたような人々も、暫くすると、「この小僧、カワイイ!」と口をそろえて言ってくれるようになりました。


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(↑丸山陶器の赤ちゃん<小僧>ビスク)

★「なぜ、この小僧は、こんなにカワイイのか?」
 聞けば、その「小僧」は丸山陶器という老舗のノベルティメーカーで戦前の、今から80年以上も前に作られた製品であり、丸山陶器という会社も今はもうノベルティを作っていないそうです。

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 80年以上も前に作られたノベルティでありながら、その人形の中には時間に摩滅しない、生き生きとした子どもの命が今なお脈うっているように感じられるのです。古くさいどころではない、むしろ現代的な息吹さえ感じさせてくれる製品なのです。それは、「瀬戸一のノベルティメーカー」と言われた丸山陶器の職人たちの匠の技と誇りによって作られたこの人形が単なるやきものというモノを超える命を宿された見事な造形物であることの証であるかのようです。機械化された大量生産により作られる画一的な量産品とは違い、職人による手描き(ハンドペイント)の素朴さや不完全ささえ「カワイイ」の要因になっているのでしょう。

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◆私(ラランジャニンジャ三宅)と「小僧」との出会いー
 その素朴な顔の小さな赤ちゃん人形を私(三宅)は4年前、ふらりと行った骨董市で見つけたのです。私とその「小僧」との出会いはまだ浅く、手乗りサイズのその人形は、コンパクトな我が家にぴったりで、またミニチュアのオモチャを持たせると、とてもイキイキとしているように見えたのでした。ただ、手乗りサイズのものを今、日本の国内で見つけることはとても困難です。そこで、ついにアメリカの大手オークションサイトeBay(「イーベイ」・アメリカのインターネットオークションサイト)に手を出し始めてしまいました。eBayには今の日本にはあまり残っていないような丸山陶器製の人形など、瀬戸ノベルティが日々掲載されています。オークションサイトのeBayに日々紹介されるあまりにも夥しい情報量に酔いながらも、気づいて見れば、私は空き時間を見つけては"小僧ハンター"になるべく≪コゾ活(小僧獲得活動) ≫を行なっていました。丸山陶器製品のいわゆるベンツマークをつけた手乗りサイズの「小僧」を見つけたのは、そんな≪コゾ活≫真っ最中の通勤時の電車内のことであったと思います。


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(↑丸山陶器製ノベルティ・<ベンツマーク>付き四ツ活人形:戦前↓)
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(↑背面・「丸山陶器」の「山」をベンツマークのようにかたどって刻印した丸山製品の社名ロゴ)

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(↑ラランジャニンジャ三宅さんが収集した「小僧たち」・収集品の一部))

★パッと目には、無表情でどことなく怖いような印象を受けた丸山小僧ですが、見れば見るほどとても洗練された綺麗な人形でした。アメリカの売主に頼み込んでどうにか2体を譲ってもらい、その後、サイズの違う小僧を見つけたり、首が動くタイプ(手活、四ツ活人形など)の小僧を見つけたりと、気がつくとわが家は「小僧の託児所」状態になっていました。

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(↑「昭和」の終焉とともにノベルティの製造を終了した老舗の丸山陶器)
 
★私(ラランジャニンジャ三宅)にとっての丸山陶器製「小僧」の魅力ー
 丸山陶器の小僧の魅力は、普通の赤ちゃんタイプの人形とは違い、無愛想で無表情なところです。ただそれだからこそ何かを伝えられる術を持っているのではないかと私は考えています。手や足だけでなく、絵付けもとても丁寧、シンプルかつ細かく作られているところにも強く惹かれますし、また首が動くタイプ(手活、四ツ活人形など)は、首のちょっとした仕草だけで様々な感情を表してくれるようです。
 SNSのインスタに、瀬戸市や常滑市で作られたノベルティや海外に渡ったノベルティ人形を集めて、それをただ写真に撮って載せるだけというのでは何か味気がないので、楽しくて親しみが湧くような紹介ができないものかと考えた時、これらの無愛想な「小僧」たちが適任なのではないか…?と、ふと思いついたのです。
 私のインスタを見てくれる人たちの心の中に少しでも「小僧」たちが印象に残り、これらの「小僧」たちを通してノベルティの良さや面白さ、そしてノベルティ人形たちの世界の魅力をより多くの人に感じてもらえたらいいなぁ…、そう思いながら私は日々発信を続けてきました。口下手で人見知りの激しい私にとって「小僧」たちは、私自身が自分の思っていることを表現できる数少ないツールになっているのです。私のこのインスタを見てくれる人たちが、無表情ながら、「しょうもないこと」「他愛もないようなこと」を一生懸命表現してくれているような「小僧」たちの姿を見て、少しでもイヤなこと、悲しいことをたとえひとときでも、また一日でも忘れて穏やかに過ごしてもらえればいいなァ…、と私は願っています。


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(↑丸山陶器の社名ロゴ「ベンツマーク」付きの腹掛け)
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★SNSでの小僧写真は、ほぼテーマのない思いつきのものばかりです。ふと何かを思いついたり、何かのイメージが湧くと私(三宅)はどんどん写真におさめていきます。小僧は、ねじり鉢巻が似合うんじゃ、腹巻きも?あら!まわしも似合う!と想像が膨らむと止まらなくなります。幸いなことに、小僧劇場をとおして刺繍や裁縫の腕が素晴らしい方々とも出会うことができました。そうするとまた、小僧劇場のテーマやそれを表現する方法についてのイメージや想像力もますます膨らみ、また小僧劇場を作り上げる作業の中で思いもかけなかったような楽しさや発見を掘り起こすことができるようになりました。
 こうした「小僧遊び」は、子供の頃に興じていた人形遊びとは異なり、どちらかというと「箱庭遊び」にして撮ったり、それらを組み合わせて小僧たちにセリフを与え、小僧たちに言葉をしゃべらせたりして投稿するのです。そうしたプロセスを通ることで自分の頭の中が整理され、またこの投稿を見て下った方々の意見も伺いながら、自分自身の内側を客観的に眺めることにより自分が悩んでいたことや自分のストレスも多少緩和されていくような気がしてきました。

◆◆例―3  インスタグラムストーリー・ラランジャニンジャ三宅の秘かな愉しみ
"ほっこりカワイイ小僧"の世界「ほっこりカワイイ小僧"のリンゴ狩り」>


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★三宅さんの手記―
 私が思うのは、「ノベルティとは、単なるモノではなく、自分自身を見つめさせてくれるの、人と人とをつなぐもの、そしてノベルティとは、当時生きた人々と今生きている私たちとを結ぶ大切なコミュニケーションツールなのではないか…」ということです。ノベルティを通してほっこりとした気分を味わえるのであれば、それは言語、国境、時代を超越して「カワイイ」という言葉を越えるような感性のようなものでつながっているからなのかもしれません。…祖母が昔、あの時、どうしてあんなにノベルティを集めていたのか…、今の私ならとてもよく理解できるような気がします。

◆「瀬戸ノベルティと遊ぶ」方法はまだまだあります。ノベルティたちを野に連れ出し、ノベルティたちを野外の風景の中に置いて、自分も楽しみながらノベルティたちにも移り変わる景色を一緒に楽しませ、一緒に遊ばせてあげる、という方法です。


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(↑谷合あや子さん作・撮影の画像↓)
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★人間と違い、モノは形がある限り生き続けます。100年近く前に海を渡り、異国の地で人々を喜ばせ、愛されたノベルティ。ノベルティたちは縁あって今は私の家に「仮住まい」していますが、そのノベルティたちはどんな時代を生き、どんな人に出会い、どんなものを見てきたのでしょうか?私たちは当時ノベルティに関わった人に想いを馳せ、時代背景を知ることでノベルティをより身近に感じることができると思っています。

◆◆<例―4  インスタグラムストーリー・ラランジャニンジャ三宅の秘かな愉しみ
"ほっこりカワイイ小僧"の世界「小僧はなぜ"男"なんだろう?」>


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★今、私ができることは、瀬戸市や常滑市で作られたノベルティたちに新たな命を吹き込み、第二、第三の人生(ノベルティたちの命)を輝かせることです。そして今残されているノベルティたちを大切に保存しながら次の時代へつなげることだと思っています。そのためにノベルティの全盛期を知っている人たちが減少している現状を嘆くのではなく、この素晴らしいノベルティという文化的遺産を記録として残すなどして、多くの人たちに知ってもらいたいと私は願っています。
 人間が生きてきた証、そして私たちが今、生きている証、そうした時々の時代の息吹を呼吸しながら、いつも私たち人間の暮しのそばにあって、私たちの暮しに潤いを与えてくれてきたようなノベルティたち…。そうした「カワイイ」ノベルティたちの姿や魅力というものを私たちなりの愉しみとしても多くの人たちに紹介していければ…、と思っています。


★ロシア・プーチンの侵略行為によってウクライナの人たちが強いられている苦しみと悲しみと悲劇…。そんなニュースに日夜心を痛めながら、ラランジャニンジャさんは、愛する小僧たちとともに、インスタグラムストーリー『小僧たちも考える:ウクライナ戦争、そして自分たちにできること』(10枚組写真構成)もリリースされています。 

◆◆<例―5 インスタグラムストーリー・ラランジャニンジャ三宅の秘かな愉しみ
"ほっこりカワイイ小僧"の世界「ウクライナ戦争・小僧たちも考える"自分たちが今できること"ー」>
 


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(作者談:画像に出る「地球グミ」というのは、今子供たちの間で密かに流行っている外国のグミです。背景はウクライナカラー)

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★ラランジャニンジャ三宅さんの「小僧たち」は、丸山陶器で戦前に作られたノベルティであり、両手と両足が動くいわゆる「四ツ活人形」です。「ちなみに、ここに出て来る『爺』は、平和について考えさせられるオキュパイド・ ジャパン(占領下)時代の製品」だそうです。


★画像関連=エリ・ヴィーゼルはハンガリー出身のユダヤ人作家。アウシュビッツに投獄された「自らの体験を自伝的に記し、1986年にノーベル平和賞を受賞した」。その有名な言葉に、『愛の対義語は憎しみではなく無関心だ。人々の無関心は常に攻撃者の利益になることを忘れてはいけない』がある。当会もこのエリ・ヴィーゼルという人の存在をラランジャニンジャさんに教えられて初めて知り、通読しました。

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(↑エリ・ヴィーゼル著『夜』=アウシュビッツ強制収容所での体験の手記。当会はアマゾンから492円で購入)

★当会近刊の小著『カワイイ昭和』の中の「瀬戸ノベルティが造形 してきた『子どもたちの世界』」で、<ラランジャニンジャ三宅さんの秘かな愉しみ《瀬戸ノベルティを遊んじゃう》~丸山陶器製”ほっこり小僧”~>を掲載する予定です。




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