瀬戸ノベルティ文化保存研究会・瀬戸ノベルティ倶楽部

瀬戸ノベルティ文化保存研究会・瀬戸ノベルティ倶楽部

“これこそ、せともの”セトノベルティの魅力を紹介し、その技術継承に努める市民活動団体です。

瀬戸ノベルティ文化保存研究会 We are the Seto Novelty Culture Preservation Society, a citizens’organization in Seto City, Aichi Prefecture 、Japan◆瀬戸ノベルティに“最高の評価”!レース人形の最高峰・TK名古屋人形製陶所製「アン王女」が皇室に献上!★瀬戸から「ノベルティ」と「昭和の青春切符~集団就職の記録~」を『日本遺産』に!◆時を超えて香り立つ魅力・ノベルティこそ“瀬戸の華”!セト・ノベルティこそ「せともの」!【瀬戸ノベルティ倶楽部:The Seto Novelty Club〈office〉、Americans who love SETO NOVELTIES, your mail to us is deeply welcome. address :setonovelty_club@yahoo.jp】 写真などこのブログでの画像の無断使用は固くお断りします!

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「風と共に去りぬ」 のノベルティが物語る瀬戸ノベルティの壮大な版図

 7月24日
☆引き続き、アメリカ「オキュパイド・ジャパン・コレクーズクラブ」代表の田中荘子さんのコレクションからご紹介します。

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*↑上は2014年6月から8月まで愛知県陶磁美術館で当会が同館と共同開催した『魅惑の陶製人形・知られざる日本のノベルティ』展に展示された田中荘子さんのコレクションです。これはミッチェル著の『風と共に去りぬ』のヒロインのScarlet O’Hara (スカーレット・オハラ)と Rhett Butler(レット・バトラー)のノベルティなのだそうです。↓ 
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*↑この製品はこのような紙の箱に入れられ、木毛(もくめん)と呼ばれる緩衝材に包まれて輸出されました。↓
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*この製品についての情報があります。↓
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*アメリカ「オキュパイド・ジャパン・コレクーズクラブ」の初代代表Florance Archambaultさんの編集したオキュパイド・ジャパンの製品を掲載した本です。この本にこの製品が掲載されています。↓
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*この英文の解説には次のように記されています。「この男女のペアは占領期にニューヨークで夫と輸入商を営んでいたある女性から買い求めたものです。彼女がそのビジネスをやめる時、オキュパイド・ジャパンのいい人形をいくつか手元に置いていたものを手離すことになったそうです。彼女はこの製品を“Scarlet O’Hara (スカーレット・オハラ)”と“Rhett Butler(レット・バトラー)”と呼んでいます。私にはあの南北戦争当時、このような装いの男女が実際に存在していたかについての確証はありません」。
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*↑これも『風と共に去りぬ』のノベルティで、ノベルティメーカーA社の製品です。
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*この裏印によれば、この製品はAVONの扱った製品で、1984年に作られたものでした。
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*実はこの製品には関連する物語があります。ミッチェル著の『風と共に去りぬ』5巻を読みました。そこに“ナッソー”という地名が出てくるのです。“ナッソー(Nassau)”はカリブ海の島・バハマの首都です。実は、その“ナッソー”へも瀬戸のノベルティが輸出されていたのです。
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*この製品は酒器(デキャンター)です。
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*ミッチェルの『風と共に去りぬ』に次のような記述があります。二人が結婚する前、言ってみれば“恋のさや当て”といった状態にある頃のスカーレット・オハラとレット・バトラーとの会話です。「『…封鎖破りは、ぼくにとっては商売なんです。それで金もうけをしているんです。金をもうけられなくなったら、いつでも足を洗います。これを、あなたはどう考えますか』『お金を目あての悪漢ですわ。-北部のヤンキーとすこしも変りがありません』…。『無邪気なもんですね、あなたというひとは。砲撃なんかするもんですか。北部連邦にも悪賢い愛国者が大勢います。彼らは平気で南部同盟に商品を売って金もうけをやっているんです。ニューヨークに乗りこんでヤンキーの商社から、こっそり物資を買いこんで逃げ出す。これが少々危険な場合にはナッソーへ行きます。ナッソーへ行けば、いまいったような北部の愛国者どもが、火薬や砲弾やフープ・スカートなどを提供してくれる、イギリスへ行くよりは楽ですからね…』」。インターネット情報によりこの製品とよく似た製品が輸出されていたことがわかりました。↓
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Nassau Royale Bahamas Licor Porcelana Frutas Sombrdsral Lady Decantador coronetti 1
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*この画像について当会にはわかることがあります。背に“Nassau”の文字が書かれた製品の手前に少しエロティックな製品がありますが、それは瀬戸のノベルティメーカーT社製であり、MTという商社が扱った製品なのです。ともあれ、瀬戸のノベルティは日本の、いわゆる“地球の裏側”の国々へも輸出されていたというまぎれもない事実が明らかになってくるのです。瀬戸のノベルティが予想をはるかに越え世界の津々浦々へ運ばれていったという事実は実に驚くばかりです。瀬戸市の文化行政も市の産業課も、また窯業界さえもこのような壮大なスケールで「瀬戸のせともの・ノベルティ」が壮大な版図を広げていたことをあまりに知らないまま推移してきたのでしょう。そんなことでは「陶都の誇りの再生」はほど遠いと言わざるをえないのです。





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田中荘子さんの“ニュースレター”から

 7月23日
☆敗戦後、日本の貿易が再開したのはサンフランシスコ講和条約が締結された1947年、ちょうど70年前のことです。「“オキュパイド・ジャパン”という制限付き」での貿易再開でした。

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(↑1951年9月8日サンフランシスコ平和条約に署名する吉田茂全権<1968年刊・外務省編『移り変わる日本~近代化百年の歩み~』>より)
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(石原陶器貿易社のOJ製品を見る田中荘子さん~当「瀬戸ノベルティ倶楽部」で~)

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*引き続き、「オキュパイド・ジャパン・コレクーズクラブ」代表の田中荘子さん編集による“ニュースレター”をご紹介します。この“ニュースレター”には毎回、同会員のコレクションが紹介されています。それは会員間での交換のためであり、また、会員が所有する製品に関する情報やオキュパイド・ジャパン(OJ)の全体研究に資する情報交流のためでもあります。
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*↑Beverly Atkinsさんのコレクションで、鶴が表現されたwall-pocket(壁かけ)。「水辺のリリーの中に立つ鶴。高さ6インチ、幅3インチ半。鶴は千年もの間を生きると考えられていることから特別に長寿と幸運のシンボルとされる」と解説されています。
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*この裏印は三重県四日市市の宮尾製陶(MIYAWO)の製品です。宮尾の宮がお宮を意味することから社章として鳥居のマークが付けられているのです。特にこの宮尾製陶(MIYAWO)の製品は今、アメリカで格別高い価格で売買されています。
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*↑これは田中荘子さん自身のコレクションで、“YAMAKA”の製品であると書かれています。“YAMAKA”は「山加製陶所」。岐阜県瑞浪市陶(すえ)地区のメーカー。昭和25年設立とのことですので、OJ期末の製品であることがわかります。↓
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*↑Sherine Ibrahimさんのコレクション。16インチという大きな製品で、赤い字で“MIOJ”と焼き付けられているそうです。
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*↑“Swim Queen”と名づけられた箱入りのおもちゃ。セルロイドの製品なのでしょうか。箱に“TN”というマークが付けられているそうです。
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*↑これらも田中さんのコレクション。左は水に飛び込もうとしている女性で“ST”というマーク付き。↓
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*↑“ST”は「瀬栄(せえい)陶器」という大きなノベルティメーカーのマークで、瀬戸市、名古屋市、四日市市に工場を持っていました。右は蟹といる少年。
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*↑Kathy Gardnerさんのコレクション。ビスク(無施釉)の少年フィギュリンで、竿と魚が付いている完品です。UCGCO(United Chaina and Glass Company)というバイヤーの扱った製品で、丸山陶器の製品です。
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*↑この製品を田中荘子さんも集めています。上の写真は田中さんのコレクションの中から子どもや天使ばかりを集めて当会が独自に撮影した写真ですが、右端にこれと同じ製品があります。↓
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和紙を用いたレース人形:OJクラブからの「ニュースレター」をご紹介

7月22日
☆今年12月から来年1月まで瀬戸市美術館に於いて『田中荘子オキュパイド・ジャパン・コレクション展』(仮称)が予定されています。田中荘子(しょうこ)さんはアメリカ在住のオキュパイド・ジャパン・コレクターで、約1万点のOJ製品を収集しておられます。現在「オキュパイド・ジャパン・コレクーズクラブ(アメリカ)」代表で当会会員でもあります。田中さんは100名近い会員(主にアメリカ在住)間の親睦と情報交換のため“ニュースレター”を季刊で発行されています。その最新号をご紹介します。↓

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*このニュースレターでは同会会員でもある当会の活動成果も紹介してくれます。今回は特集の一つとして“WASHI(和紙)を用いたレース人形”が紹介されています。↓
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*↑田中さんは次のように書かれています。
「陶磁製レース人形の製作に於いては、通常、実際の布のレース生地を泥状の粘土(泥漿)によく浸し、それを人形のボディに取り付けます。それを窯で焼くと、布の部分は燃え尽きてなくなってしまいますが、取り付けたレース様の部分や波打つスカートの部分はその状態のまま残って焼き上がります。いわゆるドレスデンタイプのレース人形はその好例です。しかし、みなさんの中には、そのようなタイプとは異なるレース人形がオキュパイド・ジャパン人形の中にあることにお気づきの方がおられるかと思います。
今回は、そうしたものの一つとして、“WASHI(和紙)を用いたレース人形”に焦点を当てたいと思います。私は、この方式のレース人形について日本の会員である瀬戸ノベルティ文化保存研究会から教わりました。(中村拙訳)
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*↑この記事で紹介されている“WASHI(和紙)を用いたレース人形”2点は田中さん自身のコレクションです。↓
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*↑田中さんは「和紙を短冊状などのslipに切ったものを泥漿に浸し、それを人形のボディに取り付けて焼成します。ここにご紹介したようなバレリーナ人形はまるで薄いガラスのような質感を持つ製品に仕上がります」と書かれています。
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*↑そして、田中さんはこのOJ製品の裏印の写真も掲載しています。
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*↑田中さんはこの裏印について「○の中に+の入ったマークはこの製品のメーカーであるAIRYUSHAのマークです。私が瀬戸のノベルティ研究会の中村さんにこのマークを送信したところ、中村さんが、このマークが確かにAIRYUSHのマークであることを確認してくれました」と書いています。実際に、私(中村)はそのメーカーの社主に会ってその事実を確認したのです。田中さんはこの項を次のように締めくくっています。「欧米向けの輸出品に自国の素材を使い込んでいるということを知ることは楽しいことです」。

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*↑上の製品はOJ製品です。その裏印が次の写真です。↓
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*この製品を実際にAIRYUSHAの社主に見てもらったところ、社主はうなづいて「次のマークがわが社のマークです」と言ってそのマークを紙に書いてくれました。↓
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☆もう一つ、大変素敵な話題がこのニュースレターに紹介されています。それは“OJ sewing machine in Argentine”と題する記事で、アルゼンチンに送られたオキュパイド・ジャパン(OJ)の足踏み式ミシンのことです。↓
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*このOJマークの足踏み式ミシン(treadle sewing machine)の製品はアルゼンチンに住む同会会員Roberto Iglesiasという人の収集品とのことです。↓
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*この記事には次のようなことが紹介されています。↓
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*「Iglesias氏によれば、この足踏み式ミシンは1947年の占領下の日本製で、1948年1952年まで、Eva Peron 財団によって購入されたもの。Maria Eva Duarte de Peronはアルゼンチン大統領Juan Peronの妻であった。Peron大統領の政治信条は、自国の経済基盤や生産性の向上、貿易諸団体への広範な支援による国の豊かさの向上と改善であった。彼の妻Eva Peronは同国の労働健康省大臣として女性たち、貧しい人たちや社会的弱者の救済と福祉向上のためのEva Peron 財団を創設した」。
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(↑Eva Peron:同ニュースレターから)
*「…Eva Peron 財団は自宅で服を縫ったりして収入を増やすことができるようにと、1948年から1952年までの5年間に5万台の足踏み式ミシンを貧しい家庭の女性たちに贈った」。
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*「…Iglesias氏は『私がインターネットによりこのOJマークの足踏み式ミシンを我が国で確認できたのはわずか2台ですが、それはとてもよい状態で残されているものなのです』と述べています」。(中村概訳)
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*田中さんはこのOJマークの足踏み式ミシンを実際に見てはおられないようです。ニュースレターの編集作業にあたり、田中さんはこの製品の持ち主であるIglesias氏からメールでその画像を送ってもらい、その画像を掲載してこの記事を書かれているとのことです。「写真によって確認できるこのOJマークの足踏み式ミシンは“HENESCCO”というマークです。占領下の日本で作られた製品がこのようにアルゼンチン向けに作られていたということはとても興味深く、心が躍るようです」と田中さんは述べています。当会も紙で印刷された写真でしか判読できませんが。もしこのミシンが当地方のメーカーによって作られた製品であるとしたら、70余年の時を超えて、“オキュパイド・ジャパン(OJ)”が日本の復興のみならず、ルゼンチンの福利厚生に寄与したということになり、その後の日本に被せられた『エコノミック・アニマル』という汚名をそそぐエピソード、と言うことができるかもしれません。

*この記事の末尾に次のような添付記載があります。このアルゼンチンの記事に関するレファレンスなのでしょうか。

Note :
Rafael De Tella and Ingrid Vogel (2003)、The Argentine Paradox :Economic Growth and the Populist Tradition ,Havard Business School.
(ハーヴァードビジネススクールの関係者からこのことについての研究、あるいは言及がなされているのかもしれません)


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東北の被災地で手のひらに戴いた瀬戸ノベルティの貯金箱

7月21日
☆今も大切にしている宝物のような瀬戸ノベルティがあります。

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*↑当会の事務局長は2011年5月、未曽有の東北大震災に見舞われた被災地の一つ、宮城県気仙沼市を訪ねました。港の近くの民家で出会ったのがこのノベルティでした。↓
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(↑2011年5月6日の気仙沼市・港近く↓)
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*あの石巻市大川小学校の敷地内に建てられていた宮澤賢治の詩『世界全体が幸せにならなければ世界全体の幸福もありえない』の詩と会いに行った折のことでした。
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*それは貯金箱で、港近くの全壊した民家に残されていました。当会事務局長は合掌してこのノベルティを手に戴きました。振ると中でカタカタと音がし、小銭が少し入っているようでした。
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*その家は全壊していました。この貯金箱の持ち主はどんな人だったのでしょうか?少女だったのでしょうか?そして、その人の身にどんな出来事が降り注いだのでしょうか?
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*↑大津波が襲った時刻で時計が止まっていました。
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*↑この人が書いたのでしょうか、「夢」という墨書きの文字も残っていました。
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*↑その時のビデオ映像の一コマからこの持ち主の苗字がわかります。「○○五年 菅野○○」と読めます。このブログを御覧の方でこの人についてお心当たりのある方は下記へお知らせ頂ければ幸いです。
<「瀬戸ノベルティ倶楽部」(メール setonovelty_club@yahoo.co.jp  ☎ 090-6339-0791)>

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*1985年の「プラザ合意」から急騰した円高。その円高によって瀬戸のノベルティ産業は急激な衰退の道をたどりました。円高以後、業界は内需に活路を見出そうとしてきました。当会の宝物となったこのノベルティもそうした内需のひとつだったのでしょう。

7月21日
☆今日、当会に不思議なノベルティが持ち込まれました。次のSkeleton(骸骨)の製品で、Aさんという40代の男性が「インターネットで買ったもので、この製品について情報を知りたい…」ということで当方をお訪ね下さったのです。↓

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*当会は、この製品が瀬戸で作られたものであることを知っていました。この製品をめぐって、実は不思議な話があるのです。次の写真は、アメリカ在住の当会会員で、「オキュパイド・ジャパン・コレクターズクラブ」代表の田中荘子さんが2015年に当所をお訪ね下った時に当会へ寄贈して下さった本の写真です。
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現代表である田中さんの前の同会代表Florence Archanbaultさんが編集された本で、占領下の日本で作られ、世界へ、特にアメリカへ輸出された製品(オキュパイド・ジャパン、OJ)を写真と製品に関する情報や考察を添えて紹介した本です。今、日本ではこのオキュパイド・ジャパン時代の製品を集める人たちが増えていますが、この書は、オキュパイド・ジャパンへの関心がアメリカではいちはやく高まりを見せ、それに呼応する形でそのコレクタ-たちの会が結成され、その同好の人たちのために Archanbaultさんがまとめられた先駆的なコレクション本なのです。
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(↑編者のFlorence Archanbault さん)
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*↑この本の中に、Aさんが入手されたものとよく似た製品が紹介されているのです。この本で紹介された製品は、もともと「酒器」(ウィスキーなどの酒類を入れた容器・デキャンター)として作られたものです。↓
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↑この製品の説明書きには、「骸骨酒器セット。完品は6個のショットグラス付き。ボトルは7インチ弱高、ショットグラス2インチ弱高。“Poison”という文字が前面に焼き付けられている」と書かれています。とすれば、この写真の右下はこの製品を構成するショットグラスの一つのようです。
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*この本には次のような添え書きがあります。↓
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「このSkeleton bottleは少しグロテスクであるが、それにもかかわらず面白い製品である。この製品の表面には“Poison(毒)”と書かれていることから、日本人は“アルコールは健康に悪いもの”と受けとめていたのであろうか?私はこれと同じような製品を写真で他にも見たことがある。それは、“Poison”という文字には十字架と同じように同じような金彩の縁取りが施されている製品であったが、(それと比較してみれば)この製品は手抜きをしたものなのであろうか…」。今日、Aさんが当方へ持ち込まれた製品は、この本の製品と形はほとんど同じでも、本のような「酒器」(ウィスキーなどのデキャンター)ではなく、
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*“incense-burner(香料入れ)”として作られたもののようなのです。眼窩や鼻腔から香が漂い出るのでしょうか。聞けば、この製品のオーダーを出した人は、個性的で、美意識が高く、洗練されたセンスの持ち主であるデザインアーティストなのだそうです。このアーティストはこのオキュパイド・ジャパン製品とどこかで出会って製品化を思いついたのでしょうか…。
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*今、瀬戸のノベルティの中で輸出されているものはほとんどないそうです。しかし、聞けば、このような製品の中にはアジアなどへ輸出されているものもあるのだそうです。当会はこのようなテイストの製品について知識や情報をほとんど持ち合わせていませんが、もしこういった製品が輸出されているというのであれば、「瀬戸ノベルティの可能性」を考える一つの貴重なヒントに逢着できるのかもしれません。つまり、ノベルティ最盛期のあの頃のような、「大量生産・大量消費」というのではなく、比較的少数であっても、ある特定の購買者をターゲットにした製品であった、そうした特定の愛好者には必ず買ってもらえるというような製品であって、しかも、充分なクォリティの高い製品作りを開拓すれば、ノベルティ生産にも活路がありうる…、ということのようなのです。
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瀬戸市美術館で今年12月~来年1月、“田中荘子・オキュパイド・ジャパン展”開催

7月20日
☆敗戦後、日本の貿易が再開したのは1947年、サンフランシスコ講和条約締結後です。それと同時に、「“オキュパイド・ジャパン”制度による制限付き貿易」が始まりました。今年はそれから70年になります。

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(↑「鉱工品貿易公団」で、名古屋貿易社長・布目健次氏著『ひとすじの道』より))
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*「日本はすでに武装解除され、もはや“神風ニッポン”ではない」ことを証し、「どうぞ、平和国家ニッポンから製品を買って下さい」という環境を整えるため、GHQが“オキュパイド・ジャパン”制度を設けたのです。
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(↑丸利商会製の塩コショウ入れ・オキュパイド・ジャパン製品)
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(↑丸利商会製のオキュパイド・ジャパン製品:田中荘子さん所有)
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*「貿易再開70年」を記念して、瀬戸市は今年12月~来年1月、瀬戸市美術館で“オキュパイド・ジャパン展”を開催します。当「瀬戸ノベルティ文化保存研究会」会員で、アメリカ在住「オキュパイド・ジャパン・コレクターズクラブ」代表の田中荘子(しょうこ)さんのコレクションが展示される企画展で、当会はその企画展に協力させて頂くことにしています。

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(↑左・田中荘子さん:昨年「くじら館」で:当会が制作中の『愛とほほえみの造形』の画面映像から)
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(↑田中荘子さんのコレクション↓)
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(↑丸山陶器のオキュパイド・ジャパン製品:田中荘子コレクションから)
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*田中荘子さんは陶磁器製品を中心に約1万点ものオキュパイド・ジャパン製品を収集されています。その中に、このオキュパイド・ジャパン制度が始まった昭和22年に印刷され、翌昭和23年1月に発刊された『JAPAN TODAY』という本があります。↓
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*この本の中に、オキュパイド・ジャパン時代の名古屋の風景も収められています。↓
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*↑当時の名古屋駅。この写真には「名古屋には最新の駅があり、東海道、中央、関西の各線が発着、名古屋は日本の東と西の分岐点なのです」と解説されています)
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*↑また、名古屋の中心市街を写したこの写真には「名古屋には多様な産業があり、中でも繊維産業と陶磁器産業が知られています」と記されています。

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*オキュパイド・ジャパン時代の日本を紹介したこの『JAPAN TODAY』の序文には次のように書かれています。↓
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*「この本は、かつて日本を訪ねたことがある人たちの思い出のために、また、これから日本を訪ねようとしている人たちのための本です。…日本には『百聞は一見にしかず』という言葉があります。それは、『見ることは信じることである』という欧米の言葉に通じるものがあります。見ること、知ることは国際関係に於いても異文化交流に於いても理解の基本であるというメッセージがこの本の刊行の底に込められています。

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(↑この本の末尾にも、この本も“占領下の日本製”、と記されています↓)
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*田中荘子さんは「“占領”という言葉からもっぱら被害者意識を前面に押し出すような歴史観を持ちだすのでというのではなく、まず自分の目でよく見ることにより、先入観を抜きにして“敗戦”や“占領”という事実をよく知り、希望と平和の時代へ乗り出そうとする過渡期の日本の姿や息吹きというものを感じて欲しいんです」とそのコレクションに寄せる思いを述べておられます。 

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(↑丸山陶器の製品を見る田中荘子さん:瀬戸市ノベルティこども創造館で)

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(↑東京・世田谷「文化の家」でのオキュパイド・ジャパン展会場を訪れた伊藤瀬戸市長と)







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7月19日(水)は臨時休館とさせて頂きます。

7月18日
☆明日19日、当会の事務局長が瀬戸ノベルティについて『愛とほほえみの造形~知られざるせともの・ノベルティ物語~』と題して研究成果を発表させて頂くこととなりました。そこで、誠に勝手ながら「瀬戸ノベルティ倶楽部」を臨時休館とさせて頂きます。どうぞあしからず御了承ください。 

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*この発表会には、ノベルティ業界最大手だった元メーカーのアメリカ営業所代表を勤められた方も話に加わってくれます。
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☆ところで今、“世界を騒がせているあの人”のノベルティが作られています。
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当会のブログをまもなく再開します。

7月18日
☆当ブログはネット回線に不具合が発生し、暫く更新が滞っておりましたが、ようやく復旧しました。また更新を再開します。

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ネット事情の不具合により更新が遅滞。お詫びします。

7月16日
☆当ブログはネットの回線事情に不具合があり、暫く更新が滞っております。あしからずご了承ください。


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